American Fool/John Cougar ジョン・クーガー1982年の大ヒット作。 しゃがれ声で苦みばしったヴォーカルで青春時代特有の苦悩や苛立ちを歌う姿、ビートが効いていてかつアコースティックな感触も残るタイトな演奏。これは大好きだったなぁ。 そして、このヒット作で開かれたスター街道を拒否し、芸名クーガーを捨てて本名に戻り、地元インディアナにこもったまま意固地な活動を続けていく、そんなバカみたいな頑固さやカッコつけ方にもシンパシィを感じたものです。
Darkness on the Edge of Town/Bruce Springsteen 秋の青空みたいに、晴れやかで、天高くどこまでも続いていきそうな“Bad Land”、一転してとてもヘヴィでワイルドな“Adam raided Kain”、祈りのような“Streets of Fire”…。 前作『Born to Run』で飛び出していった若者たちがたどり着いたのはどん詰まりの絶望的な場所。その場所でしたたかに吠え、腹の底で秘かな誓いを立てるような歌たち…。 久しぶりに聴いて改めて、めちゃくちゃしびれてしまったのでした。
Like a Rock/Bob Seger&The Silver Bullet Band 「岩のように/できる限り強く在りたい/岩のように/誰も連れ去ることなどできはしない」 染み入るようにせつせつと、しかし迸る情熱を込めて歌いこまれる“Like a Rock”。 山男のようなむさくるしい風貌、いまいち地味で、どこか垢抜けなくて、良くも悪くも素朴な田舎のアメリカ人的なボブ・シーガーのことを、知らないとか好みじゃないという人はたくさんいても嫌いだという人は聞いたことがない気がする。
Soul Alone/Daryl Hall これ、かっこいい。ホール&オーツでのポップな親しみやすさとはまた違った、クールでアーバンなソウル、スムーズなグルーヴ。そして何より艶っぽさ。 ソウル・アローン。孤高の魂って?そんなことを考えながら聴いていたら、「迷ったら一人で向き合う。自分に素直になれば、自ずと答えは出ているんだろう?」とダリル・ホールが呟き、ニヤリと笑った…ような気がした。
Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。 “日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。 自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。
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