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続・音楽歳時記「芒種」

6月6日に雨ざぁざぁ降ってきて。
梅雨入りですね。
雨はそんなに嫌いでもないのですよ。
晴れた日のほうが好きだけど、雨には雨の風情がある。
めんどくさいのは、傘を差さなきゃいけないことかな。
傘を持つと、片手が塞がるじゃない。あれがあんまり好きじゃない。多少濡れたところでそんなに困らないのだけど、びしょ濡れで朝の満員電車に乗るのも気がひけるので朝から雨が降る日なんかは一応傘を差しはする。夜から雨が降りだしたときなんかは傘を持たずに帰ることもある。濡れて帰ってお風呂に直行。冷えた体とあったかいお風呂の落差が気持ちよかったりもして。
どしゃ降りのときは別だけど、しとしと降る雨なら濡れて歩くのもけっこういいものです。

1624540jpg.jpg
You're Only Lonely / J.D Souther

雨の日にはなんとなく大人っぽい音楽がいい。
しっとりとちょっと後ろ向きな気分で。
例えばこういうの。謂わずと知れたAORの名盤。
うつむき加減のジャケットが、なんとなく梅雨の季節っぽい。
“You're Only Lonely”“If You Don't Want My Love”“Last In Line”“White Rhythm and Blues”と続くA面の4曲は完璧。
憂いをたっぷりと含んだボーカルに、しっとりとしたアコースティック・ギターやピアノの響きがとてもいい。
聴いていると、自分がとても優しい男になったような気がしてくる。いや、実際優しいんだけど(笑)。
ただ、毎日いろいろあると、なかなか優しさなんて表に出てこなくなっちゃうよね。
そういうとき、こういう柔らかな音楽は、立ち止まらせ振り返らせてくれるからいい。
思っているよりも、世の中は穏やかで優しいものに溢れている。みんなそうでありたいと願っている。
いろんなしがらみやちょっとばかりの優越欲求や承認欲求が時々、それを隠してしまったり棚上げしたり邪魔したりするだけで。
さみしいときにはさみしいとそっと呟けばいいし、嬉しいときにはにっこり微笑めばいいし、間違っていると気づけば素直に謝ればいいし、誰かが困っていれば素直に手を差しのべればいい。
そういうことができにくくなってしまうのは何が原因なんだろうね、なんて思いながら“You're Only Lonely”をリピートして聴いていた。



6月6日は芒種。
種を蒔く時期という意味。
種にとって雨は恵み。
ゆっくり育てばいい。








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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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