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続・音楽歳時記「小満」

雨があがって新緑がきれい。風が爽やかに吹き抜けて、道端にはたんぽぽの黄色い花が揺れていた。
暑くもなく寒くもなく、とても過ごしやすい休日。
コンビニ限定のポテトチップス“パクチー&レモン味”をかじりながらプロ野球中継をだらだら眺めていた。
こういうなんでもない一日がシアワセだと思う。
せっせと5日間働いて、2日休むっていうのはちょうどいいバランスなのかもしれない。
節季は21日が「小満」。
「小さく満たされる」っていうのはなんかいいよね。
50も過ぎると、人生に高望みはしない。今さら億万長者になりたいとも美女に囲まれてちやほやされたいともあんまり思わない。そもそも人生のおいしいところって、そーゆーわかりやすいところにはないって知ってるからね。

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There Goes Rhymin' Simon / Paul Simon

こんなよく晴れて穏やかな季節に聴きたいアルバム、ポール・サイモンの「ひとりごと」。
どこかで書いた気もするけど、ポール・サイモンは僕の憧れの人のひとりで、この人の表現へのスタンスは、とてもバランスがいいと思うのですよね。っていうか、自分がいいな、と感じるバランス感覚にとても近い、といった方が正しいのかな。
基本スタンスとしては誠実、真面目。でも意外と杓子定規なクソ真面目ではなく、ユーモアのセンスもあるし、何よりとてもポップ。真面目だけど従順ではなく、時には反逆的ですらあるけれど、その反逆は暴力的ではない。好奇心旺盛で学究的スタンスも強いけれど、マニアックにはならない。根本的にはペシミスティックでありながらネガティヴではなくどこかあっけらかんとして突き抜けていて、繊細だけどしたたかでもあって、芯のところではとてもタフで。
作品にしても、詩やメロディーにとてもこだわりがあるようなイメージが強いけれど、実はリズムとアンサンブルが素晴らしいのですよね。新しいリズムへのチャレンジとトラディショナルな音楽へのリスペクト。そういうバランス感覚がとても素敵なのです。
こんなに天才的なすんごいミュージシャンで、実際スーパースターであるにもかかわらず、ポール・サイモンの立ち位置ってのはどこか地味なんですよね。
生真面目キャラを背負って時々イライラしたり悲観したりもしてそう。でもだからといってポール・サイモンが例えばミック・ジャガーみたいな華麗な人生を求めているかっていうと、時には憧れるかも知れないけれど自分には向いてないって思ってるんじゃないかな。結局自分らしいのが一番で、自分がいいな、好きだな、と思えるのが一番。

日々はいろいろあるけど、こーゆー感じで真面目にコツコツやるのはけっこう好き。
クソ真面目じゃなくって、自分なりのペースとリズムで楽しみながら、真面目にやるんだ。
誰かに強制されてじゃない。そーゆーのが好きだから。
そんなとき僕は小さく満たされる。
それが一番だ。





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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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