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続・音楽歳時記「清明」

4月5日は清明。
僕のCD棚にあるアルバムの8割方は、男の人のものなんだけど、春爛漫の時期になると、女性の歌う爽やか声が聴きたくなる傾向が強くなる。穏やかでやわらかく、ふんわりとした気分がそうさせるのだろうか。
なんとなく、春のウララカさが、心をゆるくしてくれる。
ピュアでゴーイング・イージーな気分にしてくれる。
なにしろ「清明」ってくらいだ。清く明るくだ。

そんな気分にぴったりマッチする女性シンガーといえば、例えばニコレット・ラーソンさん。
さっぱりとしてクールで涼やかな声、だけどただ清楚なだけではなく、跳び跳ねるような元気さややんちゃさ、芯のところでの強い意思も感じるような。

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Nicolette / Nicolette Larson

ファンキーで泥くさいのから、ハードなロックから、清らかなソウルから、やんちゃなカントリーから、しっとりと歌い上げるバラードまで、実にバラエティーに富んでいるこのアルバム。
飛び抜けて歌がうまいわけでも華があるわけでもないけれど、どこか純粋というか純真というかそういう感じの明るさにあふれている。
そんな無垢で純粋なニコレットを、プロデューサーはじめバンドのメンバーがみんな素直に愛情を込めてバックアップしていて、彼女はそんな愛を素直に受け止めて歌っている。そういう感じがこのアルバムをとても明るくてピュアなものにしている、それが何とも素敵なのです。
何て言うのかな、彼女の声はすべてを肯定しているんだな。
それは多分、彼女が、人生に起こるすべてのことを肯定的に捉え、愛しているからだと思う。その愛に満ちた感じが、彼女を素直に応援したくなる感じを呼び起こす。そんな愛の循環。

聴いていると、何か心の角質みたいなものがボロボロと剥がれ落ちていくような気分になる。
頑なな心の壁が崩れ落ちて、ほんわりとゆるい空気と一体化していくような気分になる。
普段はわりと我慢してしまうほうだから、気がついたら心の角質がゴリゴリに固まっていたりしやすいんだ。
そういうときは、ピュアなものに触れて、心の垢擦りが必要だ。



季節は春。
ゆるく行きたいね。
愛に満たされて行きたいね。
そういう気分を邪魔するものは残念ながらたくさんあるけれど、できるだけ愛情を素直に受け止めて、それを素直に返していこう。
できるだけ、ね。
そんな愛の循環こそが、世界を平和にするはずだと思うから。




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コメント

[C3192]

名盤さん、こんにちはー。
なんかほっこりしますよね。
安心できる声です。
  • 2018-04-09 08:05
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3191] Re: 18の春

deacon_blueさん、こんにちはー。
コメントありがとうございます。
10代の頃に聴いた音っていうのは、その当時のシーンとともに浮かびますね。

  • 2018-04-09 08:04
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3190]

ニコレット・ラーソン良いですよね~
素敵な歌声、好きです!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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