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♪久しぶりの雨の日に / See the sky about the rain

渚にて
On the Beach/Neil Young


久しぶりの雨。
本当に久しぶりのような気がする。
さわやかな秋晴れの空の日がこのところずっと続いていてそれはそれで心地よくはあるのだけれど、たまにはこんな日も悪くない。いや、たまにはこんな日も必要だ。こんな日が必要だ。

ひとりでぽつんと雨を見ながら、なんとなく聴きたくなったのは、ニール・ヤングの『オン・ザ・ビーチ』。

誰もいなくなった浜辺のパラソル。
砂に埋まったキャデラック。
ポケットに手をつっこんで佇んでいるニール・ヤング。
海は無表情。

このアルバムは、一曲目の“Walk on”を除いてはとことんヘヴィで、陰気で、ダルい。
圧倒的な孤独感や虚無感に満ち満ちている。
でも、痛々しくはないのだ。
当然のように孤独を受け入れているニール・ヤングの姿は、むしろ清々しい感じさえするくらいだ。
「ひとりだからこそ大切に思えることがあるのだよ。」とでも言うように。

大好きな“See the sky about the rain”。


  雨が降るのだろうか、と空を見上げている
  壊れた雲、そして雨
  汽車が走ってゆく
  汽笛が僕の頭の中を駆け巡ってゆく
  広い平原の中で信号に制止され
  またレールの上を走り出す
  ところで雨は降るのだろうか?
  空を見上げる

  幸せに向かう人々がいる
  栄光に向かう人々もいる
  そして人生を損なってしまう人々もいる
  誰がその物語を語ることができるだろうか?



ひとつの季節が去って、新しい季節が巡ってきている。
去っていく仲間、僕がかつていた場所、そしてこれから僕が歩いていく道、
それぞれにそれぞれの感情で受け止めながら
それぞれにそれぞれの行き先の汽車に乗ったのだ。

天気予報によると、明日はすっきりと晴れていいお天気になるらしい。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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