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♪Everybody Got To Go

この世に生まれてから死ぬまで、人はいったいどれくらいの人と出会うのだろうか。
或いは、僕は今までにどれくらいの人と出会ってきたのだろうか。
芸能人などこちらが一方的に知っているというケースは除いて、お互いがお互いにに認知しているというレベルで考えても膨大だ。
例えば小学校時代。40人学級で4クラスあって、2年に一度クラス替えがあった。全体の4分の3が入れ替わるとして、クラス替えのたびに30人新しいクラスメイトができたとして40+30+30=100、それだけで100人くらいは名前と顔が一致するレベルで知り合っていることになる。それに先生方を入れて120人、近所の上級生下級生を加えて150人、友達の親や兄弟を加えて180人、中学でもは別の小学校からの人たちが加わって250人・・・。
今、仕事で日常関わりがある方だけでもざっと100人以上、お取引先さんなど含めると200人以上、配送センター時代、例えばあるセンターではパートさんアルバイトさん含めて120人以上いて、そういうセンターをいくつか異動したのでそれだけで300人強。三日で辞めたアルバイトさんなんかも含めるともっとたくさん。配送を担当していたときには受け持ちのお客さんだけでも500人はいらっしゃったわけだし。
そう考えると、軽く見積もっても3000~5000人、ひょっとしたらそれ以上。1万人とまではいかないにしろ、ものすごくたくさんの方々と時間を共有してきたんだな。
その中で、ほんとうに忘れられないくらい深く関わった方、その方と出会ったことが自分の人生の中で大きな影響があった、という人は何人くらいいるんだろうか。
彼女はそういうひとりだった。
僕が駆け出しの責任者だった頃に、パートで配送の仕事をしておられたTさん。
僕よりもひとまわり上で当時40を過ぎたくらいだったか。どんくさくって、ミスは多いし、数字はあげてこないし、僕は彼女を叱ってばかりだったと思う。
でも、誰よりもお客さん思いでね。
聞かれたことは絶対に忘れずメモして、次の週には必ずお返事する。おすすめの商品でノルマがあったとしても、お客さんの好みでなければ無理に頼んだりはしない。逆にお客さんから「これよかったよ。」というお声を聞けば、自分でも使ってみて、ノルマのある商品をほっといてもそっちをおすすめする。書いてしまえば当たり前のことなんだけど、当時ブラックに限りなく近い運営をしていた僕たちは、そういうことよりも「数字!数字!」だったのだ。いくら正しいことでも組織の価値観で評価されないことをやり続けるということは大変なことで、でも彼女はそれをやり続けていたのです。そんな彼女は、お客さんや周りの仲間からとても信頼され、愛されていた。
今は時代も変わって、彼女がやっていたことこそが正しいと思える方針に変わってきているのだけど、そういうことの大切さを僕は上司からではなく彼女や彼女を慕う仲間たちから教わりました。

60の定年を迎える少し前だったかな、癌を患って長期入院して。入退院を繰り返しながら一年がかりで病を克服して、嘱託として仕事にも復帰して、お孫さんも生まれ、お嬢さんも婚約されて。
8月ごろに再入院されたとは風の噂で聞いていたし、9月にあった飲み会にも体調が悪くて参加できないとは聞いていたけれど、まさかそんなにあっけなく向こう側へいってしまわれるとは想像もしていませんでした。亡くなられた11月の半ば、お通夜で拝ませていただいたお顔は、ぽっちゃりした笑顔とはほど遠く痩せて。お疲れさま。ありがとうございました。これから楽できるところだったのにね。

なんにもない休日、うすく晴れた空を見ながら、ふと、もう彼女がこの世に存在しないということが、とても不思議で不思議で堪らない気持ちになってしまう。それってどういうことなんだろう?全然理解できない。まるで理解できない。
数千人と出会ってきた方々の中には、ひょっとしたらもう亡くなっておられる方もいらっしゃるのかもしれない。生きていても二度とお会いすることのない方もいらっしゃるでしょう。でも、そのことと、もうすでに彼女がこの世にいないということの距離の開きはあまりにも大きい。
これからもいくつかそういう思いを経験することになるんだろうけど。きっとこういう気持ちはずっと理解できないままなんだろうけど。なんだかとてもせつない。

201712072237454da.jpg

Everybody Got To Go / Buddy Guy

Everybody's got to go home,
Heaven only know
Way up in the sky,
to that sweet bye bye,
Everybody's got to go


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[C3130]

波野井さん、毎度ですー。
バディ・ガイ、しみますわー。
特に今晩みたいなよく冷える日には。。。

切ないっていう英語はないんですね。
勉強になります(^_^)

  • 2017-12-11 22:52
  • golden blue
  • URL
  • 編集

[C3129]

切ないを正しく伝えられる英語は存在しないんだそうです。
切ない、を共有できるのは日本人同士ってことすかね?
英語の先生が以前言ってました。

でも、バディ・ガイの歌詞は胸に染みますね。
  • 2017-12-10 21:54
  • 波野井露楠
  • URL
  • 編集

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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