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◇鳥を識る

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鳥を識る / 細川博昭

サイエンス・ライターの細川博昭さんは、鳥に関するあれこれを、いろんな視点から研究されている方のようで。
カラスやサギが大好きな自分としては、かなり興味深く読みました。

細川さんの論によると、鳥は哺乳類とはまったく違う方法で洗練された進化をした高等生物で、哺乳類と優劣をつけられるようなものではない。しかもヒトは哺乳類の中では一番鳥類に近い発達をした生き物と言えるそうで。
例えば「二本足歩行をする」こと。
爬虫類にしろ哺乳類にしろ多くの生き物は四本足歩行がスタンダード。そんな中でヒトは、「道具を使う」ために四つ足をやめて前足をフリーにするように進化した。二足歩行は手を使いたいを優先した上でのやむをえない選択だったそうだ(無理な進化をしたせいで、僕たちは宿命的に腰痛に悩まされることになった)。
鳥も同じように「空を飛ぶこと」を優先して前足を翼に変えたのだそうだ。
それから、「嗅覚よりも視覚を発達させた」こと。視覚から入る画像をすばやく処理するために脳が発達した。
もうひとつは「音声でコミュニケーションをとる」こと。鳥の啼き声には、文法とまではいかないまでも、一定のフレーズの連なりや、音の高低長短によって意味があるのだという研究がすすめられているそうだけど、鳥同士が音声でコミュニケーションをとっているのは確かだ。
さらに、鳥は「文化」を持っていると言われている。気分や感情があり、個体による好みがあるそうで、カラスやオウムなど発達した脳を持つ鳥では、生殖や食事など生命維持とは関係のない遊びをするというのもそれ。

そもそも「鳥の先祖は恐竜だった」らしいです。
この十数年で一気に一般化した理論ですが、最近の恐竜の研究では、「恐竜は爬虫類のような変温動物ではなく恒温動物だった」「恐竜にも羽毛が生えていた」「羽の色は鳥のように色鮮やかだった」といった発表も次々とされているようで、どうやら僕らが子供の頃に図鑑なんかで見ていた「大きなトカゲ」的なものではなかったようです。大型恐竜は滅んだけど、恐竜類は実は鳥類に発展して生き延びたとも言えるのかも。
そういわれればね、あの羽をはいでみれば、嘴や目の周りの感じ、腱が現になった足首あたりはかなり爬虫類直系ぽくもある。
それになにより骨格ですよね。
羽の下に覆われているからパッと見わからないけど、実は鳥の首の骨はとても長く(だから、尻尾まで嘴で毛繕いができる)、足もとても長い。
この骨格図って、確かに恐竜っぽいよね。
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今、地球上ではヒトがとても繁栄していて、我が物顔で地球を独占しているけれど、ひょっとしたら鳥が地球上の支配者だったとしてもおかしくはない。数万年後、人類が滅んだあとは、地球上は鳥の天下になるのかも。
いや、実際カワセミからペンギンまで環境にあわせてあらゆる形に進化してどんな環境でも生きている鳥類は、実は地球の裏支配者なのかもしれない。

そんなことを思いつつ、今朝もカラスの観察。
この小さな体に脈々と受け継がれている生き物の進化の連なりなどに思いをめぐらせつつ。



鳥のジャケットのレコード、ニール・ヤングの“ZUMA”より

Danger Bird / Neil Young

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コメント

[C3118]

波野井さん、毎度ですー。
ふつーに真面目に書いたので、最後にちょっとロックっぽくしたくなったのかな、ニール・ヤング。この盤が最近のお気に入りで。

「カラスの教科書」は僕も読みまして、記事にも書きましたー。

http://goldenblue67.blog106.fc2.com/blog-entry-1219.html?sp
  • 2017-11-03 00:20
  • golden blue
  • URL
  • 編集

[C3117]

最後にニール・ヤングになるところが
またにくいですね(^^)!

自分は『カラスの教科書』という文庫本を読みました。
カラスのことが興味深く紹介されていて、
楽しい本でした(^^)。
  • 2017-11-02 23:34
  • 波野井露楠
  • URL
  • 編集

[C3114]

Bach Bachさん、こんにちはー。
生き物の仕組みというのはほんとに神秘的ですよね。
人間も。
  • 2017-10-28 14:04
  • golden blue
  • URL
  • 編集

[C3113] すごいですね!

興味深く読ませていただきました。昆虫の社会の本や、サル学の本、あとオングの動物行動学の本などを読んだ事がありますが、すごく神秘的で、不思議なことだらけです。この本も、見かけたら読んでみようと思います。

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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