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♪子どもの頃に遊んだ川に架かる橋

「橋」というものの記憶の最初は、この出来事だったと思う。
今も実家がある小さな町のはずれに架かっていた橋、まだ舗装されていなくって土だったんだよね。きっと木造だったんだろうな、車が通るたびに土煙りがあがって、橋がどすんどすんと揺れるんだ。
3才くらいだったのか、5才くらいになっていたのか、僕は母が運転する自転車の後ろにまたがっていた。足を車輪に巻き込まれないように大きく足を広げていなさい、って言われたにもかかわらず、何があったのかな。何かに気をとられてよそ見をしていたんだろう、突然ぎゅぎゅぎゅって音がして、体が熱くなって、見ると僕の足首が車輪に飲み込まれて、母が慌てて引っ張り出すとくるぶしのあたりが傷だらけで血がじわじわっとにじみ出てきていて。
痛くはなかったな、何が起きたのかよくわからなかった。
すぐ診療所へ連れていかれて、ピリピリ染みる黄色い液体で消毒されて。
母がそのとき何を言っていたのかとか、全然覚えていない。
ただ、どすんどすんと土煙りを上げて揺れる橋の景色だけをやたらと覚えている。

橋の下に流れている川は小さな川で、子供の頃よくその川で遊んだ。
魚をとったり、潜ったり、空き缶を流してレースをしたり、発泡スチロールの船を浮かべてそれにめがけて石を投げたり。
川原にはいちじくの木があったり、すいか畑があったりして、その実を勝手にいただいたこともある。
向かいの川岸には、火事で焼けたホテルの跡地が取り壊されずにあって、小学生にとってはかっこうの冒険の場所だった。

子供の頃はわりと本を読んだり絵を描いたりばっかりしていたと思っていたのだけれど、わりとやんちゃな子供だったんだね、今思えば。3つ上の兄にくっついて、兄の友達にそういうところへよく連れていってもらったんだったのかもしれない。

先日実家へ行ったときに、その橋と川へ行ってみた。橋はもちろん鉄骨のものに架けかえられている。それでも車が2台ぎりぎりですれ違えるくらいの小さな橋だった。
自分で思っていた以上に小さな川だった。
夏草がぼうぼうに繁っていて、子供なんて誰も遊んでいなかった。

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子供の頃のぼんやりとした記憶を歌った歌。
ザ・ブームの「釣りに行こう」。

大人になってもう一度あの川へ戻れば、まだたぶん君は昼寝の途中。
自転車の後ろで泣いていた少年も、きっと今もどこかにいる。

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コメント

[C3080]

名盤さん、こんばんは。
宮沢和史さん、ちょっとスノッブっぽさが鼻につきだしてからはあんまり聴いてないけど(笑)、いい歌を書く人ですよね。好きな歌はたくさんあります。
  • 2017-08-20 23:04
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C3079]

「釣りに行こう」むちゃくちゃ好きな曲です!
最高のラヴソングだと思ってます。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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