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♪Baby#1

Baby #1

Baby #1/忌野清志郎


遅ればせながら、清志郎の『Baby#1』を聴いた。
最初、このアルバムが発売されるというニュースを聞いたときは、なんだかお蔵入りした没テイクであこぎな商売かぁ?と、どうも懐疑的だったのだけど、LA MOSCAさん やY.HAGAさん 、波野井露楠さん たちの素晴らしい記事を読んで、やっぱり聴いておかなくちゃと思ったのだ。

この曲が録音された89年といえば、清志郎は38歳。
『COVERS』がいろんな意味で話題にはなったものの、RCサクセションの活動としては停滞期に入っていた頃だった。
このアルバムを聴いてみての最初の印象は、2・3’sの頃の雰囲気に近いなぁ、って感じ。89年の録音だという情報がなければもっと後の作品だと思っただろう。RC時代の楽曲とは明らかに持っている雰囲気が違う。…そうか、あの頃、清志郎は実はこんな歌を歌いたいという創作意欲がバリバリ芽生えてきていて、RCサクセションという容れ物が既に窮屈だったんだなぁ、でもあえてこれを封印してRCとして『Baby a Go-Go』を録音してみたかったんだなぁ、でもそのことでRCは終わりだということをはっきり認識したんだろうなぁ・・・なんてことを思った。
RCサクセションが本当に活動的だったのは実は80年の『PLEASE』から85年の『HEART ACE』までの6年ほど。88年の『MARVY』 はかなり過去のストックの曲が多かったようだし、個人的な推測だけど、後期の頃はかなり創作意欲をなくしていたのではないだろうか?どん底からの一発逆転を狙ってロックバンド化して大ブレイクしたものの、少しずつ周囲から求められる清志郎像が窮屈になっていたのではないだろうか?後に2・3’sの「お兄さんの歌」で歌ったみたいに、ファンやマスコミやレコード会社が求めるRCサクセションの忌野清志郎である前に、ただ思ったことを歌にして歌いたい欲求があって(それが『COVERS』やタイマーズでの活動にもなった)、ちょうどタッペイくんが生まれたのを機に歌いたいことがどんどんあふれ出てきた・・・。この録音の背景にはそんなことがあったような気がする。
久しぶりにまっさらの新曲ばっかりを揃えたレコーディング。そのワクワクした感じが声から伝わってくる。


つい評論家的なことを書いてしまった。僕が言いたかったことはそんなことじゃなかった。
このアルバムに残された、清志郎のどっかふっきれたような清々しい声、張りのある活き活きした歌。
素直にとっても気持ちいい。
ジャケットの、やんちゃでちょっとお茶目な清志郎の微妙な笑顔そのまんまに、とても素敵な音楽だ。
今日みたいな穏やかによく晴れた日に掛けっぱなしにしておくのがなんとも心地よい。
そんな素敵な音楽にはなかなか出会えそうで出会えないのだから、このアルバムの歌に出会えたことを素直に喜ぼうと思う。





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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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