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♪楽(LARK)

もう5月も終わってしまおうとしている。
実際、肉体的にも精神的にもなかなかヘヴィな5月だった。
毎日毎日、一日が終わるとクタクタになってしまう日々、なんだか磨り減ってしまいそう、しかもこれはまだまだ続いていきそうな気配なのだ。
単に仕事が忙しい、ということだけではない。
経済が閉塞する中で事業の再構築やら構造改革に着手しつつそれでも成長志向・拡大志向を貫こうとする組織の考え方と、自分自身の思いのズレがどんどんと鮮明になってきた、とでも言おうか。
自分自身の思いと組織の求める理屈に折り合いをつけながら働くのはかなり疲れるものだ。

生きることの最大の目的は、ささやかでも個人的なシアワセを得ること。
仕事を生活の糧として捉えるのならば、嫌なことでも一定時間身を預けることで個人的なシアワセのための資金を得るのだと割り切ってしまうこともOKだろう。或いは自己実現の場として仕事を捉えるのなら、仕事そのものが個人的なシアワセになり得る。そのどちらでもない、ミもココロもキュウキュウにすり減らされた上に、個人的なシアワセのための時間や体力すら奪われるようならゴメンだ。
これで、今の仕事の中身が大嫌いなら、もうとっくに辞めているのかも知れない。
けど困ったことに、僕は今の仕事そのものは大好きなのだ。ある意味使命感すら感じていないではない。だからこそ、今組織が向いている方向に疑問を感じるし、上の人たちが数字を見て考えることなんかより、現場で泥まみれになって暑い中マスクをしながら働いている人たちのものの考え方の方が正しいと思ってしまうのだけれど、今、風はかなり逆風なのだ。

そんな折だからこそ、清志郎の訃報は、まるで北極星を見失った旅人のような気分にもなったけれど、同時に改めて、清志郎や、たくさんのアーティスト達がその作品や態度で示してくれた、“ロックという名で呼ばれる精神のあり方”が教えてくれたものを再認識させてくれる機会にもなった。
そして改めて思う。
まず大切なことは、自分自身が楽しいかどうか、だ。
自分で正しいと思わない理屈を押し付けられることは楽しくない。
ましてや誰かに押し付けれた価値観を、自分ではそうは思わないのに誰かに押し付けることは楽しくない。
組織の論理と自分の思いがズレていてもサラリーマンなら組織の論理を優先するのが当然だ。
けど、僕は自分の思いを優先するだろうし、そのことを阻止しようとする力にきっと反発するだろう。
そんな人間が組織に相応しいかどうかはあいつらが勝手に決めりゃいいさ。


Baby a Go Go(紙ジャケット仕様)
Baby a Go Go/RCサクセション

本当にRCサクセションの最後のアルバムになってしまった『Baby,A Go-Go』には、大好きな曲がたくさんある。
そして、なんていうんだろうか、このアルバムだけは、他のRCの作品とも清志郎のソロ作品とも似ていない独特の佇まいがある気がする。
つまりは、それなりの苦労とそれなりの成功をして、けどBIGになったところで貧乏時代から変わることなく付きまとうある種のブルース感やら、誰がなんといったってどうしたって譲れない、良くも悪くも自分自身である「芯」のようなもの・・・そんなものをもう一度確認しようとしてみたのではないだろうか、というような感じがするのだ。ある時期が過ぎ去ろうとしている空気の中で、次のステップへ踏み出すために。
アルバムのラストの「楽(LARKの口笛に心癒される。

ハハハ、そうだ、もっと遠くを見よう。
奴らがわめいていることなんて、その場しのぎの些細なことだ。
もっと遠くを見よう。

そして、もう一度言う。
大切なことは、自分自身が楽しいかどうか、だ。


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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