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♪春のからっ風

BEAT UP GENERATION(紙ジャケット仕様) 

BEAT UP GENERATION / アナーキー

4月になったのに肌寒い日が続く。
桜もちらほら咲きはじめたところで急に寒くなって満開になるのを躊躇してる感じで足踏みをしているから、どうもこの週末にはお花見には行けそうもなさそうな気配。
夕べは電車を降りたらいきなりの大粒の雨に降られて濡れて帰って、そのせいか少し風邪気味でいまひとつしゃきっとしない一日だった。

なんとなく、思い出したのはこの曲、「春のからっ風」。
オリジナルは泉谷だけど、初めて聴いたのはアナーキーのラスト・アルバムに入っていたカバー・ヴァージョンだった。

季節柄なのか、来年度の新規採用希望者とかいう学生たちが先日仕事場に職場体験に来ていた。
世の中のことなんて何にも知らないが故の怖いもの知らず、みたいな、つるんとした顔立ちの学生君たちだった。ぱっと見たところでは理屈ばっかりで現場では使い物にならなさそうな印象だった。
一方で委託会社さんの方では、退職者の補充のための面接を繰り返し行っていて、先日も「派遣会社に勤めていたんですが派遣切りで契約解除になってしまって、正社員で働けるところを探しているんです。」なんていう、新聞記事で読んだことあるような話をするような人たちが何人も応募に来ていた。(かと思えば、まるでこのアルバムのジャケットの仲野茂みたいなモヒカン頭で面接に現れるような輩もいて…接客もある小売業の面接に来るのにそれはあかんやろ、と失笑してしまいましたが。)
新しく採用される人もあれば、この仕事が向かないと自ら退職する奴もいる。業務の効率化で退職を余儀なくされるアルバイトさんもいる。
なんにしても厳しい時代だ。
今は自分は彼らから見れば「向こう側」にいて、日々安穏と仕事しているように見えるのだろうけれど、いつその立場は逆転するかわかったもんじゃない。どだい「こちら側」とて決してラクではないのだ。
部下からは上位職なんだからたくさん仕事して当たり前、能力があって当たり前、その上ある意味人格者であることすら求められ、一方で納得行かないと上司に噛み付けばうるさい奴とレッテルを貼られ、目標は達成したらしたで結局上方修正され、行かなかったら行かなかったでコテンパンにののしられる。日々の運営やら業績課題やら将来的な改革課題に雑用、トラブル、イレギュラー、仕事は山ほどあるけれど、年々出来栄えのレベルとスピードを求められる。厳しい時代を乗り越えるために、なんてハッパかけられても、今すでにじゅうぶん厳しいのだけど・・・なんて言い訳したくなったりもするってもんだけど、言い訳したらしたで結局自分にはねかえってくるのがよくわかっているからぐっと呑みこむしかないのだ。
自分の言い分の半分は逃げで言い訳だということもよくわかっているのだから。
だから、この歌で歌われている何とも言えないもどかしさ、ついつい頷いてしまう。
春のからっ風が心の中に吹きつける。
まぁ、いい。自分は自分なりに今やれることをやっていくだけだ。
結果や周りの評価なんて気にしだしたらキリがない。

このアルバム、初期の性急で青臭いチープなパンクとは違って、ほんとにふてぶてしくて荒々しくてかっこいい。ジャケットの不敵な面構えからして最高だ。この後マリーがパクられて、アナーキーは解散を余儀なくされてしまい、ザ・ロック・バンドという名前で再結成するのだけれど、この“Beat Up Generation”とザ・ロック・バンドのファースト“Anarchy”は、今も大のお気に入り。
心が折れそうなとき、彼らの無鉄砲な叫びは力を与えてくれる。
たとえ何の根拠もないとしても、自分の旗を高く掲げるのだ。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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