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♪手紙~拝啓 十五の君へ~

手紙~拝啓 十五の君へ
手紙~拝啓 十五の君へ/アンジェラ・アキ

不覚にも感動してしまった。アンジェラ・アキの『手紙~拝啓 十五の君へ』。
正確には歌そのものだけではなく、たまたま見ていたテレビの「NHK全国学校音楽コンクール中学生の部」のドキュメンタリーに感動したのだろうけれど。
ドキュメンタリーでは、コンクール(うっわっ、なんか懐かしい響きの言葉!)に向けて悩みつまずき挫折しながらも一生懸命練習する中学生たちの姿を追っていた、その課題曲がこの歌。
15歳の自分が大人の自分に書いた手紙と、大人になった自分が15歳の自分に宛てた手紙。そもそもは、アンジェラが30歳になった日に母親から届いた一通の手紙に同封されていた、15歳の自分が大人の自分に宛てて書いた手紙がきっかけだったとか。

テレビで、そんな中学生たちの姿を見ながら、あぁ、15歳の頃ってのはたいへんだったんだなぁ、としみじみと思い出していた。
都合のいいときは大人扱いされ都合の悪い時は子供扱いされ、親から、社会から、学校から、自分たちだって出来やしないたいそうな価値観を「あなたのため」と押し付けられては反発し、何かができるはずと意地を張ってみても結局何もできずに尚更落ち込んで、そんな思いを心から打ち解けあけることのできる友達もなくいつもうわべばっかり調子よくあわせて仲間はずれになることばかりを恐れ、こんな自分なんて大人になってもろくな人生を送りそうもないんだと悲観して虚無を気取っていた、そんな15歳の自分の不憫さ。コンプレックスの塊で、他人と比べては自分を卑下し、あっちこっちキズだらけの無防備な心を必死にかばっていたあの頃を思い出したらなんだか泣けてきてしまったのだ。今思えば、みんなそんな思いを抱えていたんだな。そして、今の15歳もきっと同じなんだな。
大人になって思い返せば、笑い話になってしまうような些細な悩み。でもそれで本当に心が張り裂けそうで、それを精一杯かばっていたあの頃の僕にもし会えるとしたら、「オマエの人生、そんなに悪くはないぜ」って言ってやりたい。「そうやって思い悩んでいることのひとつひとつがつまらない人生を送らないために必要なレッスンなんだ。」と。どうせ鼻で笑われるにしてもだ。

それにしても、メッセージは、音楽が運ぶとずいぶん遠くまで飛ぶものだ、と改めて思う。
「人生の全てに意味があるから、恐れずにあなたの夢を育てて」だなんてベタベタで手垢にまみれたお説教臭い言葉を、例えば大人がどんなに心をこめて一生懸命伝えたとしてもきっとしらけたふりして反発されるのがせいぜいだ。本で読んだってそうそう感動したりはしない。けど、それが音楽にのって、心から湧き出た歌としてなら、素直に、あぁそうだ、と思うことができる。繰り返し反芻して心の大事な場所に置くことができる。そんなことが時には人生の行き先を大きく変えていったりする。







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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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