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音楽歳時記 「立冬」

冬の寒さの中
凍りついた湖を越えてゆく
狩人はそれぞれの旅に出る
駆け引きは全部裏目に出て
家族は腹を空かせて待っているのに
けど、決して失っちゃいけないものがある
狼は生き延びられるのだろうか?

(Will The Wolf Survive?)

冬の夜、冷たい風の吹く森の中を、餌を求めてさまよい歩く狼。
凍てついたたてがみ。
冷たい月、遠吠え。

“Will The Wolf Survive?”は、東ロサンゼルスのチカーノ街から出てきたロス・ロボスの84年のブレイク作、“How The Wolf Survive”からのヒット曲。
カントリーっぽく、かつメキシカンなルーツを感じさせつつも、どこかシャープなキレがあって、ヒットした当時から大好きだった。
ロス・ロボスはスペイン語で「狼たち」の意だから、この歌は売れない時代の自分たちを反映させたものであろうことは想像に難くない。
そして僕も、ときどきこの歌の狼に、狼なんてかっこいいもんじゃないことは知りつつも、自分自身を重ねたくなってしまう。
根本的には、組織で働くということに向いてないよな、って思うことがしばしばあって。
なんていうんだろうかね、基本的に序列やヒエラルキー的なものがどうもダメなんだな。
小学校中学校の頃も先輩後輩の縦の関係が嫌で、だから体育会系の運動部にもなじめなかったし、そういう経験から逃げてきたせいか、いまだに偉い人がただ偉いっていうだけで相手を従わせようとするのにはすごく嫌悪を感じるし、偉い人に平伏してしまう人たちにも同じものを感じてしまう。

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How Will The Wolf Survive / Los Lobos

アルバムは、アコーディオンが入ってどこかフォークダンスを思わせるようなノーテンキな曲から、ホーンも入ってグイグイ盛り上がる曲まで、カントリーやメキシコ歌曲の影響も取り入れつつも、基本はシンプルなロックンロール。3分半のダンス・ナンバー。それがいい。

季節ははや立冬。
この日から立春までが暦の上での冬。
陽の光も一段と弱く、日は短く、気温は低く、景色から彩りが消えていく。
食べ物もなく冷えきった冬の日々を、狼は生き延びることができるのだろうか。

ただね、
The one thing he must keep alive
なんだよ。
決して失ってはいけないものがある。
ここまでこうやって生きてきて、もはや捨てられないもの変えられないことはたくさんある。それを失ってしまったら、自分じゃなくなってしまうようなことが。
自分らしさを貫き、かつ生き残っていくためには、めんどくさい奴だけど使い勝手があるじゃないか、気が利いてよく働くじゃないか、めんどくさいけど頼りになるじゃないか、そう思わせるしかないんだよな。
だから、僕の仕事は増える。
ある意味仕方のないことだと自分では思ってるんだけど。

幸い理解してくれる人たちも幾人かはいる。そういう人たちの信頼に応えて役に立てるのなら、それが一番。
上司からの評価はどうでもいいけど、そういう人たちのためにも、生き延びなくっちゃいけないね。






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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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