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♪狂い咲きサンダーロード

新聞の訃報記事欄で、俳優・山田辰夫さんの死去を知った。
53歳。胃がん。

確か高校生だったと思う。それとも卒業した直後くらいだっただろうか。
石井聰亙監督の『狂い咲きサンダーロード』。
主演していたのが山田辰夫さんだった。
正直、この映画以外に山田辰夫さんのことはよくは知らないけれど、この映画は衝撃的だった。

狂い咲きサンダーロード

狂い咲きサンダーロード [DVD]

族のリーダーだった主人公。「愛される暴走族になろう」なんてチンケな方向に走り出したグループに反逆して、やりたい放題やり散らかして、集団でボコボコにされ、右翼に保護され、組織から忠誠を求められ、またも反逆し、脱走し、組織からカタワにされ、キレて狂う・・・物語としては確かそんな話だったけれど、とにかく、映像に込められたクレージーなパワー、畏れるものを知らないパワー、そして疾走感は圧巻だった。
何かを強制し、自分の生き方を矯正しようとするものに、とにかく反逆する。
どんなに痛めつけられようとも、屈服しない。

発狂寸前の主人公が、病院のガラス窓を割りまくるシーンで延々と流れていたPANTAの“つれなのふりや”。
ブレーキすら握れない腕でバイクにまたがりコーナーを曲がっていくラストシーンで流れた泉谷の“翼なき野郎ども”。
「あれは、俺だ。」
そう思った。
そして、山田辰夫は僕にとって、シド・ヴィシャス級の反逆のヒーローになったのだ。

僕の部屋には今も、ダビングした古いVHSのヴィデオがある。
若い頃、幾度も幾度も、悔しくて悔しくてどうしようもなくブチきれそうな気分を抱えて、たった一人でこの映画を見ては世界中にマシンガンをぶっ放したような気持ちになった夜があった。
この先、そんな気持ちでこの映画を見ることがあるのかどうかは正直わからないけれど、この映画に刻み込まれた山田辰夫さんの演じた主人公は、ずっと僕の中のどこかに住みつき続けていくはずだ。


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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