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♪BRITISH INVASION

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British Invasion / Various Artists

お気に入りのオムニバス盤を拾っていくとついついブラック・ミュージック中心になってしまうので、ここらでロックを一発。
オムニバス盤というのは基本シングル・ヒット中心になるのだけれど、そもそもビートルズが「サージェント・ペッパーズ」をリリースするまでは、アルバムというものはシングルの寄せ集めだった。頭でっかちのコンセプト・アルバムに$25も出すよりも、ラジオで聴いたお気に入りの曲のレコードを$5で買って何度も何度も繰り返し聴くようなピュアな音楽の接し方が当たり前の時代があったし、思い返せば僕だって、金のない中高校生の頃はそうだったもんね。
そんな「サージェント・ペッパーズ」以前のシングル・ヒット中心のロックの時代の代表として今日紹介するのは、いわゆるリバプール・サウンド、マージー・ビートのオムニバスです。
このレコードを手に入れたのは割りと最近だけど、中学生の頃にFMラジオで「リバプール・サウンド特集」の1時間番組を一生懸命エア・チェックしていた頃を思い出すような選曲がいいんですよね。
マンフレッド・マンの“Doo Wah Diddy Diddy”やフレディー&ザ・ドリーマーズの“I'm Telling You Now”、ホリーズの“Bus Stop”、アニマルズの“House Of Rising Sun”、ゾンビーズの“She's Not There”、ピーター&ゴードンの“World Without Love”。このアルバムには入っていないのが残念だけど、サーチャーズの“Walk in the Room”、トレメローズの“Silence Is Golden”やデイヴ・クラーク・ファイヴの“Because”などなど、中学生の頃、わくわくしながら何度も聴いた記憶があります。
それぞれのバンドのことはあまりよく知らないけれど、ビートルたちと同じように、ブルースやR&Bやロックンロールのかっこよさにしびれて、それを自分たちのものにしてきた連中ばかり。真っ黒なアニマルズからフォークっぽいピーター&ゴードンまで黒っぽさの度合いには差があるけれど、どの曲もとにかくポップですよね。色とりどりのキャンディーやキラキラするガラス玉みたいにポップ。そしてスパッとシャープでイキオイがある。もっさりしたメロドラマみたいなポップスしかなかった当時の白人たちの音楽環境で、黒人たちの演る音楽に憧れを持ちつつも刷り込まれた固定観念から黒人たちの音楽を素直に受け入れられなかった白人たちにとって、自分たちと同じ肌の色の若者たちのプレイする黒人音楽みたいな音楽は、熱狂的な支持を得ただろう。歌謡曲ばっかりだったシーンにツイストやサザンや桑名正博が出てきた78年の日本のように、女の子たちが真っ先に飛びついて、最初はまゆをひそめてたり面白がるだけ珍しがるだけだった連中もやがてその魅力に気づいて、みたいな。

この年になって改めて、ポップであることの大事さを感じるんですよね。
売れるシングル・ヒットっていうのは結局のところエンドユーザーにとって支払った価格以上の価値を提供しますよ、というある意味での潔さがあります。
売れ線狙いの二番煎じばっかり作ってリスナーに媚びてしまうのはどうかと思うけど、自らの表現欲求とエンドユーザーの満足の間にあるサムシングを一生懸命探っている、自分が満足できなけりゃやる意味はないけれど、対象者に満足してもらえないのならやっぱり価値がない、そんなせめぎあいの中から生まれたポップ、そういうのって大切だな、そういうせめぎあいの末に生まれたものっていうのはやっぱり伝わるし、広くはなくとも深く長く愛されるんじゃないのかな、なんて思ったりします。

と、ついついくどくなってしまうのは僕の悪い癖ですが、パッと聴いてもいいし深く聴きこめば聴き込むほどよりよさがにじみ出てくる、そしていつでも中学生の頃の自分に引き戻してくれる、そういう音楽がやっぱりいいよな、なんて思うの今日この頃なのであります。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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