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♪AMERICAN GRAFFITI

冬休み、娘がどーしても行きたいって言うんで、とある娘がお気に入りのバンドのインストア・ライヴに付き添いで行ってきた。
ついこの前までは女児アニメやゲームにしか興味がないと思っていたけど、娘ももう15才、熱中するバンドのひとつやふたつあってもおかしくはない。ティーンエイジャーだもんね。そして、僕もそうだったもんね。
別にうらやましくはないけれど、若いっていいよね。
これから先、夢中になれるものがいっぱいある。

あるアーティストを好きになる最初はやっぱりシングルなんですよね、いつの時代も。僕もそうだったもんね。
RCサクセションなら“トランジスタ・ラジオ”、佐野元春なら“SOMEDAY”、ブルーハーツなら“人にやさしく”。
洋楽の入り口も最初はシングルだった。ラジオから流れるヒット・チャートの番組や、ヒット曲の特集やらをせっせとエアチェックして。いつの間にか、アーティストの表現の深さはアルバムにある、なんて背伸びして、シングルっぽい売れ線の曲なんて子供だましだよ、なんて意気がるようになっていったものの、やっぱりポップでキャッチーで、わずか3分ちょっとでその世界観を表現してしまうシングル曲っていうのは素敵ですよね。
そもそもリズム&ブルースやロックンロールが産声をあげた40年代末や50年代には、アルバムなんてものはなかったし、日本でも歌謡曲や演歌がそうだったように、アルバムなんて2、3のシングル曲を中心にしてあとはどうでもいいような曲を集めたコアなファン向けの寄せ集めだったんだから。
なので、リズム&ブルースやロックンロールは、アルバムで聴くよりもシングルを集めたベスト盤やコンピレーション盤で聴くのがあるべき正しい姿なのではないか、と思うわけで。

最初に手にしたコンピレーション盤ってなんだったんだろう、っていうと、おそらくはビートルズのベスト盤。それからジョン・レノン。
オムニバス盤はというと、あー、そうだ、これだった。
金曜ロード・ショーとかでやってたのを観たんだろうね。

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41 Original Hits from the Soundtrack of American Graffiti

ほとんどがロックンロール黄金期の1954年~59年くらいの録音。
なんかいいよねー、元気で、やんちゃで、甘くて、せつなくて。
カセット・テープに全部入りきらなかったのか、その時気に入った曲だけを選んで録音したのだったか、よく覚えている曲とそうでない曲の差が激しいのだけれど(笑)。

オープニングはロックンロール誕生の曲とも言われるビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの“Rock Around The Clock”。チャック・ベリーの“Johnney B.Goode”もファッツ・ドミノもバディー・ホリーも入ってるけど、当時気に入ったのはむしろデル・シャノンの“Runaway”やプラターズの“Smoke Gets In Your Eyes”だったかな。“Only You”はさすがにちょっとオヤジくささを感じたけど。
けっこう好きだったのは、スパニエルズの“Goodnight, Sweet Heart”やフランキー・ライモン&ティーンエイジャーズの“Why Do Fools Fall In Love”、ハートビーツの“A Thousand Miles Away”あたりかな。わりとメロウ系のドゥー・ワップ。

当時は「入り口」として夢中になりはしたもののすぐに「これは甘っちょろすぎる、女子供の音楽だ」ってなって、もっとハードで渋いものへとどんどん向かっていったのだけど、今聴くとこの甘さがとてもいい。
入り口としてこーゆーレコードに夢中になったっていうのは、やっぱり原体験として大きな影響があるようです。






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コメント

[C2968]

BACH BACHさん、こんばんは。
なかなか先行きが見えず明るい展望が描きにくい今の時代だからよりそう感じるのでしょうか、50年代のアメリカって、夢や希望の象徴みたいなイメージがします。
パーティーとギャンブルとストリート・バトルとラブ・ロマンスのBGMとして、ドゥー・ワップやロックンロールはずっぱまりだったんでしょうね。
  • 2017-01-14 00:22
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2966] わかります!

フィフティーズへの入り口は、僕も映画サントラのオムニバス盤でした。アメリカン・グラフィティ―じゃなかったですが、もちろんアメグラも観ました!映画で50年代アメリカが表現される時って、フィフティーズがすごく重要な記号になってますよね(^^)。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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