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♪BEATLE CLASSICS

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Beatle Classics / Various Artists

こちらは同じくP-Vineの、ビートルズがカヴァーした曲の原曲シリーズ。
ストーンズ盤と比べると、ストーンズとビートルズの共通点と相違点がよくわかる、というシロモノです。

ビートルズが選んで演奏した曲たちの個性は、実にバラエティー豊か。
ストーンズが手を出さなかった、ロカビリーのカール・パーキンスジーン・ヴィンセント、カントリーのブッチ・オウエンスらを取り上げているのがひとつめの特徴。
ふたつめはシュレルズクッキーズドネイズといったガール・グループ。これもストーンズは手を出さなかった。
マーヴェレッツミラクルズ、或いはバレット・ストロングなど同時代のヒット曲だったモータウンはストーンズもいくつか演っているけど、ビートルズのほうが選曲がポップで、このポップさは、“Till There Was You”や“Besame Mucho”のようなおよそロックンロール的ではないスタンダード曲をご愛敬的に取り入れていることにも現れている気もするな。
当時知る人ぞ知るようなある意味マニアックな音楽だったシカゴ・ブルースをストーンズはがっつりカバーしているけど、ビートルズはそのあたりには無関心で、その代わりずらっと並ぶのが、リトル・リチャードラリー・ウィリアムスらのハチャメチャにぶっとんだロックンロールたちだ。エネルギッシュというか爆発的というか度を越してるようなロックンロール。チャン・ロメロの“Hippy Hippy Shake”なんかもスィンギン・ブルージーンズがヒットさせるより前にハンブルク時代にはガンガン演っていたらしいし。
まぁ、総じて、ポップさやかわいらしさ、ハーモニーを活かしたメロディーの美しさで広く大衆に窓口を開きつつ、ぶっ飛ぶときはド派手にぶっ飛びまくる、というのがビートルズのキャラクターのわかりやすい部分だったことがわかります。
メンバー全員が全員一致で大好きだったんだろうな、と思わせるのが、チャック・ベリーバディー・ホリー
バディー・ホリーは、そもそもクリケッツ(=Cricket、こおろぎ)からヒントを得てビートルズ(=Beetle、カブトムシ)と名付けただけあって一番ビートルズっぽさに近い感じがますよね。ま、順序が逆なんだけど(笑)。

ブライアン、ミック、キースの3人ともがどっぷりブルースを軸にしていたのに対し、ジョン、ポール、ジョージ、後から参加のリンゴも含めて実は音楽の好みはけっこうばらついていたと思われる。ド派手ロックンロールはジョン、美しいメロディーとハーモニーはポール、ほっこりしたカントリーはジョージ的な個性が強い感じ。その好みのばらつきを、お互いがお互いの好みを雑食的に吸収していったことが、ビートルズの音楽が飛躍的に進化し今まで誰も聴いたことがないような音楽の創造に大きな関連があっただろうし、一方で50年演り続けているストーンズとは対照的に彼らがわずか8年そこらで解散してしまった遠因だったような気もする。そもそも一致しないことによる化学反応こそがビートルズのポイントだったのだからそれもやむをえなかったのだろう。
興味深いのは、ラリー・ウィリアムスらのアグレッシブなロックンロールが大好きだったジョンが、けっこうキュートでかわいらしいガール・グループが好きだったり、スタンダードやおよそロックンロール的なものとはかけ離れたラウンジ・ミュージックも好きなポールが、実はリトル・リチャードの激アツなロックンロールをシャウトしていたりという幅を持っていたこと。このコンビネーションの妙が、ビートルズの奥深さと幅の広さのもうひとつのポイントなのだと思う。
お互いがお互いの中に共通点と相違点を持っていることが、ある種の化学反応が起きるいいコンビネーションの秘訣かと、そんなことを思ったりもします。


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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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