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♪ローリング・サンダー・レヴュー

The Rolling Thunder Revue 

Rolling Thunder Review / Bob Dylan

休みの日にしては早くに眼が覚めた。
昨夜は、眠るつもりではなかったのに、うとうとしたまま寝入ってしまったらしい。
雲がぶ厚くムンとしてけだるい朝だ。家族はまだ眠っている。もう少し眠っておこうとしばらくごろごろしていたが、体は眠りを求めているのに、脳味噌の芯の方はもうすっかり冴えてしまっているようだ。
のろのろと起き上がり、コーヒーを沸かしてパソコンを立ち上げ、ニュースやブログをチェックする。
煙草が吸いたくなって、カバンを探ってみたら、くしゃくしゃになった袋の中の最後の一本が折れていた。普段、休みの日に煙草を吸うことはほとんどないのだけれど、なんだか今日はいがいがした気分がへばりついてどうしようもなくざらついているような気がする。
ズボンを履き替えてコンビニへ向かおうとしたら激しく雷が鳴った。
すぐに、大粒の雨が降り出した。
粒の数が数えられそうなくらい大粒の雨、傘を差していても雨はボタボタと頭や肩を濡らし、路上にはみるみる水溜りができ、水溜りにぶつかって撥ね返った雨がズボンの裾を濡らす。
どうも今年はこんな雨が多い。まるで南の国のスコールのような雨。
これも地球温暖化の影響だろうか、このまま日本はどんどん熱帯のような気候になって、やがてジャングルになってしまう。目の前の風景が密林に覆われていく風景を想像する。ジャングルの中にぽつんと建っているコンビニ、緑の看板に大蛇がへばりついている。

激しく降る雨を眺めながら、コンビニの軒下で煙草をふかす。
起きぬけの一本はよく回る。少しくらくらする。
さて、こんな嵐の日に似合う音楽は何だろう。
例えば、70年代中頃の野暮ったくてがさつでふてぶてしい感じのボブ・ディラン。
骨太なロックにアレンジされた“激しい雨が降る”が頭の中で鳴り始める。
帰ったら、『ローリング・サンダー・レヴュー』を聴こう。

雨宿りしながら、もう一本煙草に火をつける。
雨はますます強くなって、もうしばらく止みそうにない。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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