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♪ROLLING STONE CLASSICS

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Rolling Stone Classics / Various Artists
Rolling Stone Classics 2 / Various Artists

コンピレーション盤にとって大切なのは編集のコンセプト。たくさんのアーティストのそれぞれの楽曲を、どういう切り口で並べるか。
バラエティー感をしっかり出しつつ、全体のトーンの統一感を保つ、ここがぶれると脈絡のない寄せ集めレコードになってしまいます。
という点で素晴らしいのがP-Vineのクラシックス・シリーズ。
これは、ローリング・ストーンズがカヴァーしたブルースやR&Bの原曲を集めたもの。
ド真ん中にはマディー・ウォータースハウリン・ウルフチャック・ベリーボ・ディドリーらチェスのシカゴ・ブルース直系のサウンドを配しているとはいえ、古くはロバート・ジョンソンの“Love In Vain”やロバート・ウィルキンスの“Prodigal Son”から、テンプテーションズの“Just My Imagination”まで、コースターズの“Poison Ivy”やドリフターズの“Under The Boadwalk”といったメジャー・ヒットから、ボブ&アールの“Harlem Shuffle”といったマイナー曲まで、アルヴィン・ロビンソンの“Down Home Girl”といったディープなサザン・ソウルから、洒脱なボビー・トゥループの“Route66”まで。まぁ“Route66”に関してはチャック・ベリーのヴァージョンを参考にしたんだろうけど、とにもかくにも、あっちこっちに幅を拡げつつも、ストーンズという軸を中心にバシッと統一感があるのが素晴らしいです。

昨年の暮れ、ブルースのカバー・アルバム「BLUE & LONESOME」をリリースしたストーンズですが、ストーンズの面々っていうのはほんとうにブルースやR&Bが大好きで、こんな風に音楽をプレイしたい、こういう音楽に込められたスピリットを体現したいと思って音楽を始め今もその思いを持ち続けているんだな、ということがよくわかるのです。サイケデリックのムーヴメントには少し乗って失敗したけれど、その後プログレが流行ってもハードロックが台頭してもパンクやニューウェイヴの時代になって進化しないマンネリのロートル・バンドだと揶揄されてもストーンズがぶれずに自分たちの音楽のスタイルを貫いてきたのはそういうことなんだろうな。
そんなストーンズたちが体現したいと願っていたブルースやR&Bのスピリットというものが、このコンピレーションを聴いていると浮かび上がってくるような気がします。
言葉にするのはすごく難しいけれど、いわゆる「個」としての思いをストレートに表現するということと、ということかな。
それを、あくまでもオーソドックスに、時代のエッセンスは取り込みつつも流行のスタイルには取り込まれずに、ポップ・ヒットとして求められるクオリティーと基本的なフォルムは保ちつつ、ちゃんと自分なりのスタイルで自分なりの情感をフォーマットに昇華させて。
そういう部分、ストーンズっていうのは無邪気なのにクレバーで、ピュアなのにしたたかで、フットワーク軽いのにものすごく頑固という絶妙のスタンスを貫いているのですが、そういうスタンスも含めてブルースやR&Bから吸収したんだろうな、ということもこのコンピレーション盤からか垣間見えるような気がします。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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