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♪ヒルビリー・バップス

冷えますねー。
こんなよく冷えた冬の夜に聴きたくなる大好きな曲がありました。
ヒルビリー・バップスの“真夜中をつっぱしれ”。
1987年だから、20才の冬の頃のヒット曲だったんだな。
これねぇ、めちゃくちゃかっこよくって、かつ、青春っぽい甘酸っぱい気持ちがキュンキュンするんですよね、今だに。
50'sっぽいベースのリズムと、ドゥー・ワップっぽい低音コーラス。甘くスリリングなストリングスでスイートな気分がぐんぐん盛り上がって。
そしてなんといってもヴォーカルの宮城宗典の甘くて男前な声。
これはほんと名曲ですよ。

でも、実はあんまりちゃんとアルバムとか聴いたりはしなかったんですよね。「所詮アイドルなんだろ?」って感じで。清志郎が“バカンス”を提供したり、チャボの“ティーン・エイジャー”をカバーしていたりでRCとの関わりも深く、興味はあったんだけど。ウッド・ベースの川上剛はその後タイマーズにも関わってるし。
でもやっぱりね、20才の男子が聴くにはあまりにもアイドルっぽい売られ方だった。
そして、これからいよいよ、っていうデビュー2年めの全国ツアーの初日の夜にヴォーカルの宮城くんが命を絶ったことで伝説になってしまった。

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GOLDEN☆BEST / HILLBILLY BOPS

Youtube観てたらちゃんと聴きたくなって、今更ながらにアルバムをゲット。
これがね、ほんとにかっこいいんですよ。
ベースがブンブンいってめっちゃロカビリーな“微熱なキ・ブ・ン(とびきり16才)”。ホーン・セクションも元気でいいし、宮城くんのヴォーカルもけっこう男っぽい。
激的バーニング・ラブ”も“ビシバシ純情!”も、トシちゃんやシブがき隊みたいにアイドルチックなタイトルとは裏腹に、やんちゃで疾走感のあるロックンロールだったり、“僕たちのピリオド”もポップで、ソウルフルなコーラスがかっこよかったり、“5時からのレボリューション”は、当時けっこう好きだった「SO WHAT」っていう映画の中で高校生バンドが演っていた曲だったことを思い出したり。
カバーでジーン・ヴィンセントの“Be Bop A Lula”やバディー・ホリーの“Peggy Sue”も演ってたり、ロックンロールやロカビリーが大好きだったんだな、って感じがビンビン伝わってくる熱い演奏とクールなアティテュード。もしもあの時代に生まれ変われるのならば、女の子に生まれ変わってヒルビリーズの追っかけをやりたい!とマジで思うくらい。

宮城くんが亡くなって、もう30年近く。
生きてりゃ52才、きっと吉川晃司ばりにかっこいいおっさんになってたんだろうと思うと残念だよね。
僕もすっかりトシは食ってしまったけれど、自分でも意外なくらい今もロックンロールにビンビン心を踊らせ、ラブソングにキュンキュンする気持ちになれる。
それはとてもうれしいし、とてもありがたいことだと思う。
甘酸っぱくてドキドキしたり、時にはヒリヒリするような青春の気分をこうしてそのまんまパッケージしたアルバムにこのトシになっても出会えるってことも。
若くて絶頂のときにこの世からおさらばしてしまいたい、って気持ちはわからないでもないんだけど、今はやっぱり生きててよかったと思います。


最後にもう一曲、宮城くんのラスト・レコーディングから、“Dear Friend”を。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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