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♪シングルマン

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シングルマン / RCサクセション

ファンからの贈りもの
大きな春子ちゃん
やさしさ
ぼくはぼくの為に
レコーディング・マン(のんびりしたり結論急いだり)
夜の散歩をしないかね
ヒッピーに捧ぐ
うわの空
冷たくした訳は
甲州街道はもう秋なのさ
スローバラード

 電車は動き出した
 豚どもを乗せて
 僕を乗せて

ひどく疲れが残っている朝、虚ろな目をしばしばさせながらつり革につかまって流れていく景色を見送りながら、ふと清志郎の歌が頭の中に浮かんでくる。
実際、ひどく疲れている。

飲酒運転で検挙された同僚の処分が発表された。
諭旨解雇。懲戒解雇ではないにしろ、平たく言えばクビ、ってことだ。
毎日遅くまで残って仕事を片付けていた彼は、その日も終電に間に合わないことがわかっていて無断で車で出勤していた。夜になって飲んでいた上司から呼び出されて酒を飲み、しばらく眠ったあと、車を運転して帰ろうとして、事故を起こして、飲酒運転で検挙された。
彼に同情はしない。やってはいけないことをやってしまったのだ、当然の報いとまでは言わないが、運が悪かったとは言わない。
弱い奴からこうやって穴ぼこに落っこちてしまうんだ、ってこと。
ただ、そのことと僕のひどい疲れには、きっと関係があるのだと思う。
どうしようもなくやりきれない気分だけが、ただただまとわりついている。
頭の中で“ヒッピーに捧ぐ”がぐるぐると回る。
“甲州街道はもう秋なのさ”の清志郎の叫びがぐるぐると回る。
ウソばっかり
ウソばっかり
ウソ
ウソ
ウソ

1976年、ドン底時代の清志郎。
このアルバムには、このアルバムにしかない、ヒリヒリとした痛みの感覚がある。
弱い奴からこうやって穴ぼこに落っこちてしまうんだ。
穴ぼこに落っこちてしまった仲間と、幸いにもまだ穴ぼこに落っこちていない僕の差は、いったいどれほどあるっていうんだろう、って清志郎が歌っているような気がした。
紙一重だ。
でも、ほんの紙一重であれ、強さを持ち合わせていたい、ちゃんとまっとうに生き延びたい。
そのための強さを。ふてぶてしいまでの強さを。
ふりきってしまえ。
そんなことを清志郎が歌っているような気がした。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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