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♪甘く危険な香り / 山下達郎

フォー・ユー
フォー・ユー / 山下達郎


山下達郎の音楽には、気品がある。
職人が丹精込めて作り上げた作品に息を吹き込まれた魂のようなもの。それは、安っぽい「真実」だとか「自由」だとか「魂」だとかいうボキャブラリーで余ったエネルギーをただ吐き出すだけの自称ロック、なんかよりも遥かに真実により近く、自由で、魂が込められている。
そんなことに気が付いたのは実はそう遠くない最近で、このアルバムが出た高校生の頃は、単に耳障りの良いお洒落な流行モノとして、半ば友人と話をあわせるためだけに耳にしていただけだったのだけれど。この眩しい青空(By鈴木英人)のジャケットは自分の、いわゆる括弧つきの「青春」には似合わないと知りつつ、密やかな悲しみを描き出したラストナンバーの「甘く危険な香り」だけが大のお気に入りだった。
今聴けば、また別な意味で、その頃には到底知りえなかった新しい痛みで、やはりせつなくなる。


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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