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♪CASINO DRIVE

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Casino Drive / Red Warriors

CASINO DRIVE
I MISS YOU
OLD FASHIONED AVENUE
OUTLAW BLUES
MORNING AFTER
JOHN
MONKEY DANCIN'
FOOLISH GAMBLER
WINE & ROSES

80年代の後半に多感な時期を過ごせてよかったな、と思うことのひとつに、日本人による日本人のためのロックンロールが一気に花開いた時期にリアルタイムで立ち会えたということがある。
ビートルズとストーンズをベースにエアロスミスやらピストルズやらクラッシュやらの影響と、RCを始めとするストーンズ・タイプのR&B型ロックと、シナロケ、ルースターズ、モッズ、ARBらビート系、それにアナーキーやスタークラブ、スターリンやINUらパンク勢など、日本の先駆者たちのロックからの影響を等距離で受けた、僕より6、7つくらい上から同世代にかけての連中が、今までのどこか借り物的だったロックとは違う、もっとリアルな質感を持ったロックを演りはじめた。それが80年代半ばの日本のバンド・ブームの入口だ。
ストリート・スライダーズ、ブルーハーツ、レッド・ウォーリアーズ。シオン、プライベーツ、シェイディー・ドールズ。ラフィンノーズ、ウィラード、有頂天。ザ・ブーム、レピッシュ、ユニコーン。ローザ・ルクセンブルグ~ボ・ガンボス、ニューエストモデル~ソウルフワラーユニオン、アンジー、エコーズ、ヒートウェイヴ、ザ・グルーヴァーズ、エレファントカシマシ、・・・。
そんな中でも誰が一番好きだったんだろう、どのバンドを一番よく聴いたんだろう、と思い返していくと、ブルーハーツとプライベーツを除くとその次は実はレッド・ウォーリアーズだったような気がする。
スライダーズはちょっとかっこよすぎて、っていうか、かっこつけすぎ、スタイリッシュすぎて、共感よりも、ただただうなるって感じだったかな。レッズはその点、かっこ悪かった。そのかっこ悪さがかっこよかったのだ。

当時はバブルの絶頂期、おしゃれでスマートで、手入れの行き届いた箱庭のように人工的に快適なものが幅を利かせていた時代で「ロックンロール!」なんて叫ぶこと自体がとってもダサいことだったのだけど、そんな時代の風潮に、剛速球のストレート一本で真っ向勝負に挑むようなロックンロールで勝負をかける姿がこのバンドの真骨頂だ。
ブレイク寸前にレベッカをクビになって、あいつらを見返してやるんだぜ、っていうエピソードにも共感したし。
ロックンロールを嗤う時代へのロックンロールな態度での返答っていうかな、存在そのものがどこか痛快で。
ストーンズというよりはエアロスミス?一歩間違えばダサダサのオールド・ファッションなロックンロール。
金と女、セックスとバカ騒ぎだけで構成された世界観。
正直共感はしないし、きっと本人たちだってバカバカしいと思ってる。
でもそのバカバカしい世界観を思いっきり本気で演る。
ただのジョークと紙一重の、時代錯誤とも言われかねないシンプルでストレートなロックンロールをメいっぱいマジで、時には自分たちを嗤う余裕すらみせつつ、スケールのでかいロックをプレイする。
すると、それがとてもかっこいいことみたいに錯覚を生むんだよね。
そんなパラドックスこそがロックンロールのキモなんじゃないかって思ったんだ。

 Just to win わずかな金と オンボロの車 転がして
 やっとのことで この街にたどりついたばかり
 最後の夢を この手に握りしめる為に これからここで
 イチかバチかの賭けさ Oh yeah!
   (Casino Drive)

ハハハ、一獲千金を夢見て上京したバンド・マンのありがちなストーリー。
10年前に永ちゃんがこういうのを歌った頃はこの「夢」って言葉にはまだリアリティがあった。
でも、この頃なんてもはや「夢」なんて悪い冗談でしかなかった。
そのことをわかった上であえて歌う。そこがかっこよかった。

で、この続きのフレーズがすごく好き。

 どうせ ダメでも元々さ
 くだけ散るのも 悪かねえ
 でもイカサマ野郎にゃ負けやしねぇぜ~

負けやしねぇ、なんだよな。
最初から勝つ気もないし、勝てる気だってしていない。僕たちはきっとそういうふうに育った世代だと思う。
でも、負けやしねぇ、なんだよな。
お前らの好きにはさせない、ほんのちょっとでもいい、お前らに一撃を食らわせてやる。
他人から見たらどうだっていいような、けっこうくだらない意地みたいなものかもしれないけど、自分にとってはけっこう大事なこと。そういうものを心の底に抱き続けておくことが、いつかほんの一瞬でも世界を逆転させることができるんだと思う。
かっこ悪さをかっこいいにひっくり返してしまうパラドックス。
そういうの、あり、だろ、って。



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コメント

[C2893]

名盤さん、こんにちは。
4枚目のアルバム、ビートルズ後期っぽい美しさのあるアルバムでしたね。「ルシアンヒル」とかかっこいいですよね。
ユカイくんをバラエティーとかで見かけると「この人、ほんとはスゲエヴォーカリストなんだけど。」って気持ちになります。
  • 2016-09-12 08:11
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2892]

レッド・ウォリアーズ僕も好きでした。
一度ライヴ観たかったけど、これからって時に解散してしまった。
最後のアルバムは、バンドの表現の領域を広げた作品だっただけにとても残念な気持ちになりました。
ほんとにもったいない解散だったと今も思っています。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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