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♪麗蘭

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麗蘭 / 麗蘭

ミッドナイト・ブギ
待ちわびるサンセット
アメリカンフットボール
今夜R&Bを…
真夜中のカウボーイ
さみし気なパイロット
ユメ・ユメ
月の夜道でマンボを踊る友人の唄
ハイキング
ココナッツバター
がらがらへび(P・Greenに捧ぐ)
ハーモニー(挽歌)
ミュージック
夏の色調

もう一本、貴重なライヴを経験したのだなぁ、と思い返すのは麗蘭です。
ご存知RCサクセションの仲井戸“CHABO”麗市と当時活動休止中だったストリート・スライダーズの土屋“蘭丸”公平が組んだまさかのユニット。まさかの、っていうのは、当時二人ともとても社交的とは言えない感じ、まさかバンド外での活動なんて想像もつかない者同士だったから。

1991年だった。
この年、僕は2年と少し勤めた会社を辞めて無職になった。
何かやりたいことがあったわけではない。
むしろ、何にもしないということをやりたかった。
今の時代ならね、入った会社をさっさと辞めちゃうってのはなかなか勇気がいることだけど、当時はまだバブル景気の残り火で仕事なんて高い条件さえつけなければいくらでもあったのだ。
勤めていた会社はスーパーマーケット~コンビニへの時代の変化に乗り遅れて業績は下降一方、バブルの恩恵なんてなーんにもなし、働き続けたところで何の展望もないし、おもしろくもなんともない、沈んでいくとわかっている船にしがみつくのはやだな、って辞めてやった。辞める時の朝礼の挨拶で「お先に失礼します。」って言ったら、後で上司にマジで怒られた(笑)、ハハハ。若かったのだ。

まぁ、それはともかくとしての麗蘭。
大阪のなんとかいうホールと、京都・磔磔と、確か2回観た。
チャボがね、とにかく楽しそうでね。
ふっきれたっていうか、ぶっとんだっていうか。
ハツラツとギターを弾いて、楽しそうに歌ってた、そんなライヴだった。
それまでの僕のイメージでは、チャボはいつも怒ってて不機嫌な印象があったから、尚更そのステージで観た楽しそうなチャボの姿はインパクトがあったのだ。
当初はライヴツアーだけの予定、一年限定の活動の予定が、結局アルバムも作って、翌年以降もたびたび組んで、ってなっていくのは、よほど二人とも、この二人だから出せる音の世界が心地よかったのだろう。

一曲め“ミッドナイト・ブギ”から麗蘭らしさが炸裂。楽曲のベースはチャボががしゃがしゃかき鳴らすアコギ。ここに蘭丸が縦横無尽に弾きまくる、或いは逆に蘭丸のリフがあってそこにチャボが絡んでいくという構図。いずれにせよ基本はその二人によるグルーヴで、それを補強するように配置された早川岳晴のうねうねしたベースとZUZUのパーカッション。
ギター中心の人力グルーヴ、というのは麗蘭結成当初の大きなテーマだったのだと思う。チャボの歌もあえて言葉の語感やリズム、グルーヴを重視した作りが伺えて。かっこいいよねー、“ココナッツ・バター”とか“アメリカン・フットボール”とか。♪おさらば、今夜の有象無象~、とかね、四字熟語や漢字の語呂のリズム感の引き出し方なんかも文学青年のチャボらしくてかっこいい。

グルーヴってのはこんな風にギター2本でも出せるんだ、ってことに目からウロコだった僕は、一緒に見に行ったギター弾きの友人といっしょに麗蘭みたいなユニットを演ろうぜ!って盛り上がって“エレクトリック・プランクトン”っていう名前のユニットを結成して、奴の四畳半の部屋で日々練習したのだけれど。ハハハ、やっぱりチャボみたいには到底演れっこなくって。
まぁどうってことないそれだけのことだけど、麗蘭と言えば僕の中ではこの“エレクトリック・プランクトン”がセットになって思い出されて、それはちょっと夏の終わりの気分なんだよな。
自由な解放感と、とりあえずは気持ちだけの情熱と、でもその夏のような若さが時にはすごくうっとおしくもあり、ジリジリと苛立ったり、そして過ぎてしまえば気恥ずかしくもあり、懐かしくもあり。

♪だったら浮き世の窓をおまえに開けて
 風にのせてこの歌 口ずさんで送ろう
 だから夜空の窓を俺に開けて
 風にのせてこの歌 すぐに歌い返せよ
       (ハーモニー)

あぁ、夏の終わり。何だかしみるなぁ。
なかなかせつないよ。このアルバムは。
期間限定だからこその完全燃焼感っていうかな、今この瞬間に、コイツと一緒にいられるわずかな時間で、コイツと一緒に出来ることを全部やりきってしまうんだ、全部出しきってしまうんだ。そんなチャボの熱い思いがいっぱい詰まっている。
過ぎていく夏の終わりに、ちょっと感傷的になってみるのも悪くない。悪くないよ、な。




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コメント

[C2887]

櫟コナラさん、こんにちは。
夏の終わり、ちょっと振り返りモードになりますね。
今日は曇りのち雨、台風が近づいているようですね。

今入っているディスク、、、うーん、気になります(笑)。
  • 2016-08-27 10:07
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2886]

golden blueさん、こんばんは。

1991年のショートストーリーいいですね~。
夏の終わりって、なんだか切なくて、それぞれの胸にあるものが
ひょっこり顔を出すのかもしれませんね。

ウチ、このCDのケースだけあります。
3.11の地震の時棚から落ちて中身だけ割れてしまいました。
今、中には・・・あ、これは内緒にしておきます。
夏の物語が台無しになりそうなモノなので(^_^;)
  • 2016-08-26 21:58
  • 櫟コナラ
  • URL
  • 編集

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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