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♪COURT AND SPARK

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Court and Spark / Joni Mitchel

Court and Spark
Help Me
Free Man in Paris
People's Parties
Same Situation

Car on a Hill
Down to You
Just Like This Train
Raised on Robbery
Trouble Child
Twisted


先週の週末、珍しく風邪をひいて発熱、寝込んでいました。
そんなに疲れが溜まっていた感じはしなかったのですが、蒸しっと暑かったり突然涼しかったり気温が安定しないこの時期は確かに体調も崩しやすいですよね。金曜日の夜、あ、何か寒気がする、と思う間もなく一気にフラフラになってしまった。計ったら38℃ちょっと。
熱が出たときの対処法は、とにかく眠ること。食事は摂らない。食事の消化というのは思いの外エネルギーがかかるそう、発熱そのものは体内で免疫細胞が戦っている証拠なので、エネルギーをそこに集中させたほうがいい。
で、水をたっぷり飲んで、半纏とか着こんでタオル首に巻いて、汗をかく。
おかげで、日曜日の午後にはようやく平熱に戻った。

熱が高いときって、眠ることすらしんどいですね。
横になっても眠れない、もちろん動けないし、従ってめっちゃ暇なんだけど、本も読めないし音楽だって聴く気がしなくなる。
文字や言葉っていうのは脳の本能的な部分ではなく、新しく人間が獲得した部分で処理していると聞いたことがあるけど、確かにしんどいときには文字や言葉というのは一切入ってこなくなります。新しく獲得した付随的な機能は休ませて、基本的な機能だけでエネルギーの消費を抑えている、脳の働きがそんな感じになるのかもしれない。
ようやく熱も下がってきだしてあまりにもの退屈しのぎで何か聴きたいと思ったものの、とてもじゃないがロックやソウルのリズムを受け付けるような気分ではない。歌詞が直に入ってくる日本語の歌もうるさく感じてとても聴けない。まだ脳味噌が基本的機能のみの作動状態のままなのだ。
こういう時に聴いて気持ちがいいのはきっと穏やかなヴァイオリンやフルートで奏でられるようなクラシックなんだろうけど、あいにくそういう音源は持ち合わせていなくて。
なんてCDラックをがさごそしていて、あ、これかも、と思ったのがジョニ・ミッチェルさんでした。

ジョニ・ミッチェルさんの声質そのものが、すごく自然界の音に近い気がするんですよね。トーン、波長、リズム、そういうものが。自然に耳に入ってきて、耳障りが気にならない。何を歌っているのかも全然気にならない。
加えて、このアルバム以降顕著になっていくジャズ/フュージョン系のミュージシャンたちの音がとても美しいのです。ジョニのナチュラルな歌を無理して飾らず自然に寄り添っている感じ。この美しさは、例えば塩の結晶の整然とした美しさのように、自然界の摂理に基づいた配列の美しさに近いものがあると思う。
音楽っていうのは決して耳だけで聴くものではなく、リズム、トーンを含めて濃淡や明度など色彩感覚的なものや滑らかさ/ざらざらさや温度、湿度っぽいもの込みの皮膚感覚で聴く部分があると思うのだけれど、ジョニさんの音楽はそういう部分がとてもナチュラルな気がします。なので、大脳新皮質の方を作動させずに、脳の基本的機能の方へすぅーっと届く感じがする。

普段、そういう部分を使いすぎなのかもしれないな。
発熱は、たまには休ませろという合図だったのかもしれない。
風邪、ひかないにこしたことはないのだけれど。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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