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♪おきなわうた

Okinawauta.jpg
おきなわうた / 夏川りみ

涙そうそう
童神
芭蕉布
てぃんさぐぬ花
島唄
デンサー節
島々清しゃ
赤田首里殿内
月ぬ美しゃ

鷲ぬ鳥節
祭りのあと風
イラヨイ月夜浜
黄金の花

夏川りみさん。
この人の声にはいつも癒されます。
なんといっても透明感がありつつ、艶や張りのある声質がいい。
そしてその艶や張りや透明感を保ったまま、しゃんと伸びていく高音がすごいのです。
歌いかたそのものはとても素直で、こぶし回したり気持ち悪いビブラートを多用しない真っ直ぐな歌いかた。明るくて澄んでいて、明るい歌でも節度があり、悲しい歌でも必要以上に湿っぽくならない。
のどから無理矢理ひねり出したハイ・トーンではなく、声量のなさをごまかすようなシャウトでもなく、ましてオペラのような裏声でもなく、素の声質のまま、素直に伸びていく声。
器楽的な点で上手いだけの歌手はたくさんいる。歌の情感を表現できる歌手もたくさんいる。
歌の温度や情感を壊さずに、これだけの声量と音程を維持できる歌い手はそうそういないのではないだろうか、と思うのです。

りみねぇのレパートリーの幅の広さは、沖縄民謡はもちろん、美空ひばりから演歌から歌謡曲からフォーク~ニューミュージック、ゴスペル、中国歌謡、童謡唱歌までめちゃくちゃ幅広い。実際Youtubeで検索するとゴロゴロヒットする。「秋桜」「少年時代」「I LOVE YOU」といった老若男女に支持される定番曲はもちろん、「時の流れに身をまかせ」「愛燦燦」「蘇州夜曲」や坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」といった古い曲から「ゆりかごのうた」「椰子の実」といった童謡唱歌に、「テネシー・ワルツ」「アメイジング・グレース」。NHKの歌謡番組なんかではなんでもすぐに歌いこなせるから重宝されてるんだろうね。万人受けする声質だし。極めつけには高校野球のテーマ曲「あぁ栄冠は君に輝く」まで歌ってたりして、これがまたまっすぐ背筋が伸びるような晴れやかないい歌い方なのですよ。

ただ、やっぱり一番しっくりくるのは沖縄の歌。
これは、自身の大ヒットでもある「涙そうそう」と「童神」はもちろん、ザ・ブームの「島唄」、大島保克の「イラヨイ月夜浜」、ネーネーズの「黄金の花」、そして喜納昌吉の「花」といった沖縄ポップのヒット曲に、これもよくネーネーズが演っていた「島々清しゃ」「月ぬ美しゃ」に「てぃんさぐぬ花」「芭蕉布」に八重山民謡「デンサー節」とザ・ベスト・オブ・沖縄歌曲を集めたアルバムです。
落ち着きますよね。
上手さだけではない、波の寄せては退くリズムにも似たどこか懐かしいような微妙な揺らぎ感というか、副交感神経の活動を活発にしてα波を導き出すような雰囲気。
有機物が豊富というか、潤いがあるというか。
つまりは癒し、リラックス。
そしてりみねぇ独特のピュアな感じ。或いは誠実さ。歌に対するりみねぇの愛情が織り込まれていて、どの曲を聴いてもどこか懐かしく、とてもピュアな気持ちにさせられてしまうのです。

とまぁそんなこんなで、くそ暑い真夏を、りみねぇの美しく穏やかな声を聴きながら涼んでいます。
秋の気配を感じられるようになるまで、あともう少し。



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コメント

[C2879]

Bach Bachさん、こんにちはー。
夏川りみさんの声、歌い方。恨み悲しみさえ昇華させてのすがすがしさがありますよね。和みます。

“芭蕉布”、改めて歌詞を読むと、そうかー、まるで琉球王国国歌みたいな内容だったんですね。この歌が作られたのはアメリカ統治下の1965年。その背景を考えると深いですね。
  • 2016-08-16 08:17
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2878] おおお~

夏川りみさん、いいですねえ。僕は夏川さんではじめて「芭蕉布」を知り、感動してこの曲をいろいろと調べたことがあります。沖縄の歴史と密接な関係があるんですよね。8月15日という特別な日にこの歌を聴くとジ~ンとくるものがありますが、恨みや悲しみではなく、叙景的で、どこかすがすがしさを感じさせる所が大好きです。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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