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♪OOH LA LA

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Ooh La La / The Faces

Silicone Grown
Cindy Incidentally
Flags And Banners
My Fault
Borstal Boys
Fly In The Ointment
If I'm On The Late Side
Glad And Sorry
Just Another Honky
Ooh La La

関西人なので、土曜の午後といえば「吉本新喜劇」です。
まだ土曜日半ドン授業だった小学生の頃からずっと見ていました。寛平ちゃんとか木村進のギャグを真似したり、室谷信雄に山田スミ子、桑原和男に岡八郎、個性的なコメディアンがたくさんいました。
そして吉本と並んで大好きだったのが、火曜日8:00からの「藤山寛美3600秒」。ドリフよりも圧倒的に好きだったな。
ギャグ満載で間髪いれずボケとつっこみの応酬があり、全員でコケたり、長ーいネタフリのあとの必殺ボケがあったり、アドリブがあったりでどかんどかんと笑わせつつも、後半は人情味のあるおっさんが出て来て、ほろっとさせる話になって、最後にまたドカンとオチが来る、みたいな笑いあり泣きありの展開。
こういうのは小学生の頃から身にしみついていて、ある意味人格の基礎のひとつになっていますね(笑)。

笑いあり泣きあり。
フェイセズに感じるのは、そういう吉本や松竹新喜劇のあの感じ。
グイグイはっちゃけて、ガチャガチャどたばたがあって、ホロリとして、ほっこり和んで、ひととおり聴いたあとにはなぜか元気になる、みたいな。

どのアルバムも大好きなんだけど、中でも、結果的にはラスト・アルバムとなってしまったこの『ウー・ラ・ラ』は和み度が高いです。
ブルースっぽさが少し退いて、ロニー・レーン主導っぽいトラッドな響きのする曲が多いのがその理由かな。
ロニー・レーン自身が歌うGlad and SorryとFlags and Bunnerの、なんともいえない、澄んだ青空みたいな哀しいようなほっとするような清々しさ。ロニー自身のちょっと弱々し気な歌には他の誰にも出せない独特の味わいがあります。
でもその一方で、If I'm On The Late SideやJust Another Honkyみたいに、ロッドが歌うロニー・レーン曲がとてもいいんだよな。ロニーとはまた違う奥行きと深みがあって、胸をかきむしられるような感じがする。
もちろん、ブギーなSilicone GrownやイケイケガンガンのBostal Boys、ちょっと哀愁のあるCindy IncidentallyやMy Faultも全部大好き。
ロニーの歌が、自分の弱さを全部さらけだした上で「それでいいんだよ。」と言ってくれる歌だとすれば、ロッドのは逆に、その弱さを実は自覚していながらも、知ったこっちゃない、思うように好きなようにやりたいことやっちゃえばいいんだぜ、って歌ってくれる。この二人は解散前にはずいぶんいがみあってしまったみったいだけど、実は同じコインの表裏なんだろうな。近いからこそ反目しあってしまうような。
で、その二人をうまく仲介しているのがロン・ウッドの天性の明るさを持ったキャラなのかな。
そして我関せずと叩きまくるケニー・ジョーンズと、いつだってゴキゲンなイアン・マクレガンのピアノ。
この5人のコンビネーションの絶妙さは、やっぱり吉本新喜劇並みに楽しい。一歩間違えば崩れてしまうような危ういバランスの上で、それぞれがそれぞれにお互いに信頼を持ってプレイする。そこに生まれる独特のノリこそが、フェイセズが味わい深くまた和ませてもくれる最大の理由なのかも。

生きてりゃ、いいことも悪いこともある。フツーは思い通りにいかなくて地団駄踏むようなことの方が多いけど、時にはそれを補って余りあるような楽しいとき、幸せなときもある。
フェイセズを聴くと、そういうことを素直に肯定したくなるんですよね。
そういう意味ではこのアルバムは、人生のひとつの指針にしたい一枚、かもしれません。



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コメント

[C2843]

ひるのまりさん、こんばんは。
やっぱり70年代のロックは深みが違いますね。このところ書いた記事のほとんどが70年代前半ものだなぁ、と今気づきました。
ロニー・レーン、あの若さであれだけ渋かったのですから、生きていたら歳とともにもっと味わいの深い歌を歌ってくれていたのでしょうね。
  • 2016-06-01 23:03
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2842]

昔のジャケットは 遊び心満載で 手にとるだけで わくわくしたりしてましたね!

中身は その当時はわからなくても 年月をかけて
名盤だと 重みをますアルバムが多い!
「Ooh La La」はロッドが歌ってほしかったものの これはこれでよかったと思うようになりました。
ロニー・レインの遺作で ロッドが歌ったらな~と思う曲が たくさんあります。
あの時代は あまりにも すごすぎて 今がつまらないという後遺症に悩みますね!
  • 2016-06-01 17:04
  • ひるのまり
  • URL
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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