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♪戦いの日々にくたばってしまわないためのサウンドトラック

新聞によると、2年半ぶりに景況は改善の兆しがあったそうだ。
ほんとかしら?
僕は、この間の長い長い景気の悪化は、いわゆるケインズ(だったかな?)の言うところの好況/不況の波なんかとはまるで違う、消費構造そのものが変わろうとしている時期なんだと捉えている。もはや、本当に欲しいものなんてそんなにたくさんあるわけじゃないのだ。例えばパソコンや携帯にいくら機能がついたところで、もう今の機能で充分満足だもの。もう気分を盛り上げられてあおられて消費を追いたてられるのには飽き飽き、本当に欲しいものだけがほんの少しあればいい、時代の気分はそうじゃないのかしら?

ただ、そうは言っても、その景気の悪化が実際自分の仕事に降りかかってくるとなると、やっぱりしんどいのはしんどい。いくら頑張っても業績は一向に上向きにならず、むしろ厳しくなるばかりで、儲からないからその分コスト削減の大号令。いくら経費節約といったって今日みたいに蒸し風呂みたいな暑さの中で空調を28度以上っていうのはバテてエネルギー消耗するばっかり…って気がするぜ。そんなわかりやすい場所よりももっとわけのわからないところで無駄な経費はたくさんあるんじゃないのかい?なんてつい思ってしまう。やいやい言うばっかりで自分では何にもしないあんたの給与の方がよっぽど…なんてね。

まぁ、いずれにしても、これからますますいろんなことが厳しくなっていく。
その覚悟だけは必要だ。
戦いの日々に向けて、ココロもカラダも鍛えておくにこしたことはない。
さんざんこき使われた挙句に奴等に使い捨てにされるのはまっぴらごめんだ。

くそ暑い真夏に、くたばってしまわないためのサウンドトラックを5枚。


マイ・ジェネレイション?ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・フー  コンバット・ロック  Equal Rights

Independant Intavenshan: The Island Anthology  YELLOW BLOOD(紙ジャケット仕様)


My Generation: The Very Best of the Who/The Who
ザ・フー、あえてベスト盤を。次々に繰り出されるすべての曲に、甘さや感傷のひとかけらもない。
ピート・タウンゼントが風車のように何度も何度もかきならす、ナイフのようにシャープなギター。
暴力的なまでに、何かを叩きのめすかのように暴れまわるキース・ムーン。
タフでワイルドなエネルギーが必要だと感じるくらい弱ってしまった時にはThe WHOの洪水に溺れる。

Combat Rock/The Clash
敵が内側にあると感じるときならピストルズ、敵の姿がはっきりと見えているときにはクラッシュ。
ひょっとしたら、敵が自分の中にあるかもしれないことを敢えて見ないようにするために、わかりやすいのを標的にしてを敵に見立てることでなんとか崩れそうな自分にフォルムを与えようとしているのかもも知れない、と思ったりもするけれど。
まぁ、いい。それも自らを鼓吹するためには必要だ。
やけくそでやぶれかぶれに勝ち目の無い戦いに挑んでいくようなジョー・ストラマーの無鉄砲さが痛快。

Equal Rights/Peter Tosh
なんだか神ががってしまったボブ・マーリーと袂を分かち、ハードな道を敢えて選んだピーター・トッシュ。
約束された安住よりも、岩の上に座り続けることを選んだ男。神になるよりも大地に立ち尽くすことを選んだ男。ハードでシャープなメッセージに愚直なまでに頑固にこだわり続けたレゲエ原理主義者。
その頑固さにシンパシィを感じつつ。

Independant Intavenshan: The Island Anthology/Linton Kwesi Johnson
戦いの音楽といえば、やはりレゲエなのだ。
LKJのダブもまた、甘さも感傷もひとかけらもない。
ダブのヘヴィなリズム、クールで緊張感の漂うポエトリィ・リーディングから伝わって来るのは、覚悟とでも呼べそうな肚の座った潔さ。

YELLOW BLOOD/A.R.B.
どこかチンピラ然としていた田中一郎時代のARBはさすがに今聴くとやや古臭い感じがあるけれど、この斉藤光浩/岡部滋の第三期は、今聴いてもシャープでタイトでソリッドでファンキーでほんとうにかっこいいし、石橋凌のシャウトにも余裕というか、懐の深さが感じられる。
ぎりぎりの戦いに追い込まれれば追い込まれるほど、実はそんな余裕が必要なのかもしれないな、なんてこのアルバムを聴いて少し反省したのだった。


戦いだ、なんて強がってはいるけれど、実際のところ、変わろうとして変わり切れない、踏み込もうとして踏み込み切れないそんな自分の弱さをごまかしたくって意固地になっているんだ、ということも本当は知っている。だからこそ、負け戦を承知で戦い抜くことが必要だし、そのための孤独に耐えることが今は必要なんだ、と自分に言い聞かせているのだ。
ただし、気をつけた方がいい。
敵はもっともっとしたたかだから。


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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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