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♪STEAL AWAY

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Steal Away / Charlie Haden & Hank Jones

It's Me, O Lord (Standin' in the Need of Prayer)
Nobody Knows the Trouble I've Seen
Spiritual
Wade in the Water
Swing Low, Sweet Chariot
Sometimes I Feel Like a Motherless Child
L' Amour de Moy
Danny Boy
I've Got a Robe, You Got a Robe (Goin' to Shout All over God's Heav'n)
Steal Away
We Shall Overcome
Go Down Moses
My Lord, What a Mornin'
Hymn Medley: Abide With Me/Just as I Am Without One Plea/What a Friend We Have in Jesus/Amazing Grace

すっかり深まった晩秋の何でもない一日に、ぼんやーりしながら聴いているのは、ピアノとベースの二重奏です。
録音当時76才のハンク・ジョーンズ師と、チャーリー・ヘイデンのデュオ。
このレコードから聴こえてくる、何気ない穏やかな感じがなんともいい感じなのです。
演奏されているのは主に古い黒人霊歌や讃美歌。
なんだか日曜日の教会を思い起こさせるような。
おばあちゃんに手を引かれて礼拝堂に入って、周りの大人たちの普段とは違う神妙な面持ちに少し戸惑いつつも「人間にはいろんな面があるんだな」なんて感じながら見よう見まねでお祈りの言葉を口にする、そんな経験があるわけではないのに、そんなことを思い出すような不思議な感覚になってしまう。
教会の机の木の香り、ひんやりとした空気、ステンドグラスの不思議な色合い、その向こうに見えた大きな木に揺れる緑の葉っぱ、薄い水色の高い空。そんなことを思い出す。確かな記憶かどうかですら定かではないのに、ぼんやりと、けれどはっきりと。

ヘイデンさんのベースの、なんとも包容力のある音が素敵ですね。
あたたかくて丸みを帯びた音。それもただ丸いだけではない。長い年月を経て熟成されて角がとれてきたような丸み、というか。芯のところでは強い意思を保っていて、それが深いコクとまろやかさのある極上の味わいになっているのだと思う。
寄り添うハンク・ジョーンズさんのピアノも実に味わい深い。でしゃばらず、穏やかな微笑みを浮かべながら、楽しそうにピアノを歌わせている。
なんていうか、このお二人の演奏には、敬意が感じられるのです。
音楽への敬意、普通の暮らしへの敬意、普通に生きている人々の日々の営みへの敬意、そういう暮らしを繰り返してきた先人たちへの敬意。
忙しい毎日でついつい忘れてしまいそうな、そういう感覚。
大切なことだと思います。
そういうことを感じさせてくれるお二人の演奏に感謝。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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