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♪STILL ALIVE AND WELL

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Still Alive and Well / Johnny Winter

Rock Me Baby
Can't You Feel
Cheap Tequila
All Tore Down
Rock & Roll
Silver Train
Ain't Nothing to Me
Still Alive & Well
Too Much Seconal
Let It Bleed

僕が今の部署に来た頃にお世話になった先輩が亡くなられた。
この部署で必要ないろはを最初に教えてくれた人だった。
胃がんだって。
見つかったときにはもうステージ4で手術もできない状態だったそうだ。
入院してからわずか3ヶ月だった。
先輩って言ったって、年はほんのひとつ上、まだまだ働き盛りだ。
どっちかっていうと優しい人ではなかった。いっつも怒っていた印象のほうが強いんだけど、いい商品を見つけた時には「どうや、これ!うまいやろ!」って真っ先に食べさせてくれて、その無邪気な笑顔にはいつも納得させられたっけ。
真っ直ぐなものは必ず真っ直ぐにしなけりゃいけないようなところがあって、そういう部分が苦手な人も多かったみたいだけど、僕はこの方の、熱くなる魂みたいなところが好きだった。
そんなエネルギッシュな人で、病気とも無縁な感じだっただけに、お通夜でお会いした生気の抜けた痩せた顔つきはまるで別人みたいに思えてしまって。
あんなにエネルギッシュだった人が、たった3ヶ月でこんなふうに脱け殻になっちゃうんだな、って思うとなんだかやりきれなくってね。

いつも怒っていて、エネルギッシュで、無骨で・・・例えていうなら、って思い出したのがジョニー・ウィンターさん。
弾きっぱなしで鳴りっぱなしの轟音ギター。
しぼりだすようなシャウト。
熱く若々しいロックンロールというよりは、苦々しく苦しいブルースを、ぶっ飛ばすみたいにエネルギッシュに演るのがジョニーさんの演り方で。
かっこいいよね。
そこらへんのロックごっこ、ブルースもどきとは根っこの部分から違う、加速せずにはいられない、荒々しく叫ばずにはいられない、そんな心の底にへばりついたブルースをぶっ飛ばすためのブルース。
熱くなる魂を抱えたブルース。

いくつか持っているジョニーさんのレコードで一番好きなのはコレだ。
ガツーンとぶっ飛ばす高速ブルースが盛りだくさんで。
中でも大好きなのがタイトル曲の“Still Alive and Well”だ。

 誰もが俺は6フィートも下の
  冷たい土のなかでくたばってると思ってるけど
  お日様が輝いているうちには野原で
 メイク・ラヴしてんのさ
 俺はまだ生きていて
  バリッバリに元気だ
 俺はまだ生きていて
  バリッバリに元気だぜ
 何もかもどんどんハードになっていくけど
 俺は生きていて
 バリッバリに元気だぜ

いろんなことがハードでへヴィーになっていくけど、僕はまだ生きている。
いつどんなことが起きるかなんてわかんないんだけど、まだまだもうちょっと生きていきたいと思っている。
熱くなる魂といっしょにね、もうちょっと生きていたい。





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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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