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♪YOUNG GIFTED AND BLACK

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Young Gifted and Black / Aretha Franklin

Oh Me Oh My (I'm a Fool for You Baby)
Day Dreaming
Rock Steady
Young, Gifted and Black
All the King's Horses
A Brand New Me
April Fools
I've Been Loving You Too Long
First Snow in Kokomo
The Long and Winding Road
Didn't I (Blow Your Mind This Time
Border Song (Holy Moses)

史上一番の不人気対決と言われたアメリカ大統領選挙は、政治経験0の不動産屋のおっさんが勝利というまさかの展開。。。
某元府知事みたいに威勢のいい言葉ばっかりが先走ってはみたものの、結局は何にもできずに、民衆の期待はやがて失望に変わり、失望が怒りに変わり、最後は退場、、、ってことにしかならないような気がするのですが、あーゆー人が当選するっていうのは、それだけ現状への不満や鬱屈が民衆の中に溜まっているっていうことなんだろうね。

千載一隅のチャンスを逃したヒラリー女史。
揶揄されるネタもいくつもあるんだろうけど、結局のところこの人が多数から支持されなかった最大の理由は、人間的な魅力の乏しさだろうと思います。
会ったこともないのになんで人間的な魅力が乏しいと感じてしまうのかというと、結局のところ「声」に魅力がないのですよね。べちゃっとして少しヒキガエルのようにつぶれた声からは、聡明さや誠実さよりも、ずるさや冷酷さを感じてしまうのです。

「声」っていうのは人間関係において実はかなり重要なファクターだと言われています。人間がまだ言葉を身につける前、声のトーンや大きさ、ニュアンスで感情を伝えていた時代がずっとあった、その名残なのでしょうけど、実際声のトーンやニュアンスというのは、話している言葉の中身以上に相手に伝わるもの、どんなに丁寧な言葉遣いをしても心のこもらない言い方では気持ちは伝わらないし、例えば電話しながらお辞儀したりするのって、見えていないようでも言葉のトーンで伝わるものだったりするのですよね。
人間関係の上で「声」って、思いの外大事です。
好きな人の声ってとても心地よく聞こえるし、嫌いな人の声はすごく耳障りに聞こえるんだけど、ふと思うんですよね。「好きな人」の声だから心地よいのではなくて、実は「声が好き」だからその人を好きになるんじゃないのか、「嫌いな人」の声だから耳障りなのではなくて、「声が嫌い」だからその人を好きになれないんじゃないか、って。

さてさてところで、それではアメリカ大統領にふさわしい声の人って誰だ?というと、個人的には圧倒的にアレサ・フランクリンだと思うのです。
ローリングストーン誌の読者アンケートでヴォーカリスト部門一位になったくらいの上手さと巧さ、技術もパワーも兼ね備えた偉大なるヴォーカリストであることは間違いないのですが、けっして上手さやパワーだけではない、感情のこめ方のせ方が全然違うのですよね。
何ていうんだろうか、敬意とか、尊厳とか、或いは慈愛とか。そういうものの成分がとても高いというか。
よく言われることだけど、男女のよしなし事を歌っていても、アレサが歌うと人類愛の歌のように聞こえるのです。
アレサの数ある作品の中でも特に深いと思うのが、いわゆるニューソウルに触発された70年代初頭・アトランティック後期の作品群で、この「Young Gifted and Black」なんて最高に深み奥行きがありますね。
黒人としての誇りと希望を歌ったニーナ・シモンの表題曲や“Rock Steady”での軽やかなファンクネスや、オーティスの名曲“I've Been Loving You Too Long”でのブルージーさ、ビートルズの“The Long and Winding Road”やエルトン・ジョンの“The Border Song”での崇高なまでのゴスペル度、せつせつと歌い上げる“First Snow In Kokomo”のせつなさ。このアルバムには入っていない同時期のシングルである“Spanish Harlem”や“Don't Play That Song”、サイモン&ガーファンクルの“Bridge over Troubled Water”まで含めて、人類の世界遺産級の素晴らしさです。
人としての尊厳や、慈愛の心、そういうもので心が満たされていく気がして、心のうちからエネルギーが湧いて出てくるような気分になりますね。
やっぱリーダーに必要なのはこういう力強さだと思う。
ゴリ押しやごまかしやハッタリではなく、心のうちから出てくる強さ。
こういうリーダーがいれば、世界はもっと慈愛の心で満たされるんじゃないかと思うのですがね、残念ながらの今回の結果。世界はいったいどう動いていくんだろう。

ちなみにレコーディングのメンツは、あの名盤「Live At Fillmore West」とほぼ同じメンバー、すなわちDr.バーナード・パーディー、B.チャック・レイニーに、G.コーネル・デュプリーという鉄壁の布陣。
他にも、Dr.アル・ジャクソン、B.エリック・ゲイル、G.ヒュー・マクラッケンらに加え、ビリー・プレストンがゴスペル色の濃いオルガンを、ダニー・ハサウェイがエレクトリック・ピアノを弾いている曲もあるし、フルートにヒューバート・ロウズ、コーラス隊にスイート・インスピレーションズ、ホーン・セクションはウェイン・ジャクソンやアンドリュー・ラヴらメンフィス・ホーンズ。パーカッションでDr.ジョンのクレジットもあったり、演奏陣の深みとノリももちろん世界遺産級です。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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