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♪マイケル、You're Not Alone!

マイケル・ジャクソンが亡くなったことに対するマスコミの報道のほとんどは、晩年のスキャンダラスな話題に終始して、なんだかとてもうんざりする。
ミュージシャンに対して、音楽以外のスキャンダラスなことをがちゃがちゃ言いたててそれでどうするっていうんだろう?天才に世間並みの常識を求めたって仕方ないだろう?世間並みの普通の人間が、多くの人の心を震わせる作品を作ることなんてできやしない、世間の常識を超えたところにいるからこそ誰の心をも震わせるような表現ができるのだから。

HIStory: Past, Present and Future, Book I

HIStory: Past, Present and Future, Book I/Michael Jackson

マイケル・ジャクソン。
大ファンだった、というわけではない。今手元にあるのは、ジャクソン5&モータウン時代のソロが入ったのベスト盤と、ミック・ジャガーとの“State of Shock”が聴きたくて中古屋でゲットしたジャクソンズの『VICTORY』と、このCBS以降のソロ・キャリアをまとめたベスト盤だけなのだけれど、それでも大好きな曲はいくつもある。

音楽酒場 Since 2005 でカナさんが
>ジェイムス・ブラウンとスティーヴィー・ワンダーの2役を1人でこなした男。
と書いておられましたが、まさにそのとおりだと思う。
大人から子どもまで、たくさんの人々に届くことができるサムシングを持った歌を歌えた男。
鍛錬して極めた完璧な芸で完全武装し、サイボーグ改造手術を何度も何度も施して、世界中の誰からも愛されようとした男。
そしてその挙句に自分を見失って壊れてしまった可哀想な男の子。
だけどとても愛すべき人。
ニュースで流れた晩年のマイケルの映像を見ていたら、
「魂を売ったんじゃない、ほんとうに世界中の誰からも愛されたかったんだ。そのためならどんなことだってできたんだ・・・みんなが喜んでくれると思ったからこんな姿になったのに、どうしてこの僕を嗤うんだい・・・」
そんな悲痛な叫びが聴こえてきたような気がして泣けてきた。


有名な誰かが死ぬたびに追悼記事を書いていたんじゃきりがない。
ましてや、誰かの死に対して安易でセンチメンタルな追悼記事を一本書いてハイ、さいなら、なんてことはとてもかっこ悪いことだと思うのだけれど、世界中を魅了した輝きを取り戻せないまま孤独のうちに亡くなってしまったスーパースターに、あんたは最高にかっこよかったぜ、って伝えたい気分になったのだ。
そして、あんたは決して独りぼっちなんかじゃなかった、と。

You're Not Alone.
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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