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♪SINGLES ALBUM

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The Singles Album / Manfred Mann

Do Wah Diddy Diddy
Hi Lili Hi Lo
I Put a Spell on You
5-4-3-2-1
Come Tomorrow
Hubble Bubble Toil & Trouble
If You Gotta Go Go Now
You Gave Me Somebody to Love
Oh No Not My Baby
Pretty Flamingo
Sha la La
Way You Do the Things You Do
Stormy Monday Blues
Got My Mojo Working
Smokestack Lightning
Ask Me What to Say
I'm Your Hoochie Coochie Man
Poison Ivy
My Little Red Book
There's No Living Without Your Loving

『ロックンロールが降ってきた日』っていう本があって。
現役の日本人ロックンローラーに、初めてロックに衝撃を受けた曲のことやその頃のことをインタビューしたものをまとめたものなんだけど、その中でクロマニヨンズのヒロトが最初に衝撃を受けた一曲として語っていたのが、マンフレッド・マンの“Do Wah Diddy Diddy”だった。

ビートルズを聴き始めた頃、FMラジオの番組表をチェックして目当ての音楽を探してはよくカセットテープに録音して聴いていたのだけれど、中でも気になったのは、いわゆるマージービート/リヴァプール・サウンドっていうやつで。ホリーズ、サーチャーズ、トレメローズ、ジェリー&ザ・ペースメーカーズ、フレディ&ザ・ドリーマーズ、ピーター&ゴードン、デイヴ・クラーク・ファイヴ・・・そんな人たちのヒット曲をカセットテープに録音しては「ビートルズよりもいいかもー。」なんて思いながら聴いていたのです。今ならそこを入り口にyoutubeで探したりi-tunesでチェックしたりしていくんだろうけど、その当時はラジオ以外にほとんど情報がなくって、そこから深入りすることはなかったんだけど。
マンフレッド・マンもそうやって録音したテープの中に“Do Wah Diddy Diddy”が入っていたはず。僕はヒロトみたいにびびっと来たわけではなく、「なんかのどかでポップな曲~。」ってな印象程度で、そのうちマージービートのことなんて忘れて、もっとハードなロックに夢中になっていくのですが。

そんなわけでずっと忘れていたのだけど、たまたま中古CD屋で見かけて、あれけっこういい曲だったよな、なんて思い出して、聴いてみたらえらいかっこよくてびっくりしたのが十年くらい前。
あっ、こんなに黒っぽかったんだ、って。
もっと軽薄なバンドだと思っていたら、アニマルズやゼム以上に黒くて渋い本格派。これに比べたら確かにビートルズなんてお子さまやん!初期のストーンズなんてへったっぴいやん!って、正直思った。試しにストーンズも演っているコースターズの“Poison Ivy”なんて聴き比べてみるといい。バンドのグルーヴとしてはマンフレッド・マンの方が一枚も二枚も上手だ。
元々はジャズを演っていた人たちらしくて、なるほどポーズや勢いだけじゃない、確かな技術に裏打ちされた安定感があって、その上でエネルギッシュに暴れまわっている。マイク・ハグのドラムなんてまさにそういう感じ。音の中心になっているのはマンフレッド・マンの黒っぽいハモンド・オルガンで、“I Put a Spell On You“や”You Gave Me Somebody to Love”みたいなハモンドらしい渋いのから、“Sha La La”みたいなポップでファンキーなものから、“Mojo Walking”“Smorkstack Lightning”といったどブルースまで、実に多彩かつどっしりと存在感のあるプレイ。ポール・ジョーンズのヴォーカルも黒っぽくてワイルドで、あとハープがかっこいいんだよね。汽車みたいに吹きまくる“5-4-3-2-1”とか“Hubble Bubble”なんて最高に煽られる。当時のモッズたちがいかれていたのもよくわかります。

ちなみにヒロトの言葉。
「あのイントロが流れた瞬間、『ピーピピーピピピ、ピーピーピー♪』っていうのを聴いたときに、あ!と思ったの。まず、これ、勉強した人の音じゃない!って思ったの。(中略)勉強なんていらねえんだよ、っていうのを理屈じゃなくて体感したんだよ。勉強も練習もいらないんだよ、知識もいらないんだよ、世の中を渡り歩いて行くのに必要なものはもっと別のものだし、別なところにある、って。」
なるほど確かに。実際社会に出てから役に立ったのは勉強したことや知識よりもそういうものだったし、それはロックンロールから教えてもらったんだよな。



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コメント

[C2832]

yuccalinaさん、こんばんは。
リーダーとメイン・ヴォーカルとの関係、よく理解できなかったですね、確かに。
ジャッキー吉川とブルー・コメッツとか、ハナ肇とクレージーキャッツとかもそう(←古っ!)、敏いとうとハッピー&ブルーはヴォーカルが敏いとうさんだったのか違うのか、いまだにわかりません(笑)。まぁ興味ないけど。

ジェフ・ベック・グループとかJガイルズ・バンドもその種類ですかね。
昔はバンドリーダー&メンバー、という表記が普通だったんでしょうか。であれば、ブライアン・ジョーンズとローリングストーンズ、とかもありだったのかもしれませんね。

  • 2016-05-13 00:03
  • goldenblue
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  • 編集

[C2830] 私も~~

これポップな曲と感じてて大好きでしたわ。

一方で、ヒロトは動物的直感で、その奥にあるものを感じてたのかもしれませんね。確かにポップなだけでなく、もっと太い芯があるというか。

ちなみに私はマンフレッドマンがキッカケで、マッギネス・フリントやギャラガー&ライルを聴いたりしてました。90年代のことです。

ところで、ちょっと話がそれますが、私は結構長い間、ポール・ジョーンズをマンフレッド・マンと勘違いしておりますた。同様にマーク・リンゼイもポール・リヴィアだと思ってました。この手の勘違いは前川清と内山田洋の時代から続いております(^^;)
  • 2016-05-12 09:51
  • yuccalina
  • URL
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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