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♪BO GUMBOS LIVE at 磔磔 1988

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BO GUMBOS LIVE at 磔磔 1988 / Bo Gumbos 

BO & GUMBO DISCO
泥んこ道を二人
どうしようかな
君の家は変な家だなあ
魚ごっこ
誰もいない
Sleepin’
メリーゴーランド
もしもし!OK!!
ダイナマイトに火をつけろ
助けて!フラワーマン
見返り不美人
ボガンボラップ

1988年の夏は、人生の中で一番遊んだ夏だ。
大学4回生、学校には行ってもろくに授業には出ずに学食でだらだらして、夜は毎晩誰かの家で飲んでいるか、どっかのライヴ・ハウスでご機嫌になっているか、金はあんまりなかったけど、ひまはたっぷりあった。居酒屋のバイトを深夜に終えてからなぜか盛り上がって行き当たりばったりで鳥取砂丘まで行ったりもしたっけ。夜中にクルマぶっとばして5時間、明け方砂丘に着いてだらだら過ごしてその日の夕方にはまたバイト、とかね。
タフだった。体力あった。眠らなくても遊べた(笑)。
就職活動とかまともに取り組んだ記憶がないし、卒業論文だってちゃんと書いた記憶がない。それでもなんとかなるもんなんだなー(笑)。

そんな1988年の夏、一番熱かったのはボ・ガンボスだった。
ローザ・ルクセンブルグを解散させたどんとが、ローザの永井、元ブレイクダウンの岡地さん、そしてマルチプレイヤーのKyonと組んでニューオリンズやその辺りの泥臭いファンクを演ってるってんで、周りの音楽好きの間でもずいぶん話題になって、ローザ好きのバイト仲間の子と行ったんだったっけ、磔磔。
まぁ、なんちゅーか、すごいエネルギーだった。細部は全然覚えてないけど、すごいテンションの高さにやたらハイになったという記憶だけ残ってる。
どんとさんが亡くなってもうずいぶん経つけれど、思えばこの頃が一番どんとさんの溢れる才能がマックスに高まっていた時期だったんだな。そういう場に立ち会えたというだけでもすごい経験だったんだな、って今更ながらに思います。

ローザでデビューしたときから、どんとさんはとても異質な存在感を放っていた。今まで聴いたことがないような独特の言葉と節回しの歌がたくさんあった。
どちらかといえば童謡に近いような言語感覚。どこか人をなめたようなテキトーなスタンス、特に一生懸命何かをやっている人を嗤うような、時には人が傷つくようなことも平気で歌う。かと思えば、とても叙情的な歌がするっと出てくる。思ったことを思ったまんま歌にしてしまう感じは天真爛漫な子供みたい。或いはとても現世の人とは思えないような浮世離れ感とでも言うべきか。
しかもそれを、スタジオでもステージでも100%以上のテンションで演りきってしまう、その圧倒的な熱量の高さ。
民俗学では「ハレ」と「ケ」という概念があって、日常生活は全体の規則や規範に沿って抑制、節制して暮らすかわりに、節目での「ハレ」の日にはあらん限りのエネルギーを放出して日常の暮らしで溜まった澱のようなものをすべてはきださせる。昔はそうやって社会全体で精神のバランスをはかっていた。それはまた、現世とあの世を結びつけるような行為でもあった。日常もあの世もいっしょくたにして世界中をひとつにまとめてしまうことで生まれるエネルギー。
音楽にも「ハレ」の音楽と「ケ」の音楽があって、労働歌や子守唄なんかは「ケ」の世界の音楽。お祭りなどで太鼓を打ち鳴らして踊りまくるのが「ハレ」の音楽。「ハレ」の音楽を演る人間は当然、人を熱狂させるだけの熱量を自身が発し、何かが憑依したかのようにあらんかぎりのエネルギーを放出できる人が選ばれるのであって、芸能というのはそういう選ばれた人が演るものだったのだけれど、どんとさんはまさに選ばれた「ハレ」の芸能の世界を持った人だったのだと思う。

「このビートは幸せを呼ぶビートといって、このリズムに合わせて手をたたいて踊れば、どんな不幸な奴でも笑ってしまうという不思議なリズム。それでは皆さん手を合わせて、このビートに合わせてちょーだい!」
アンコールでどんとさんが叫ぶ。
お祭りならではのグルーヴにはきっとアフリカ人もブラジル人も踊りだす。大人も子供もおじいちゃんも。1988年の僕も、2016年の僕も踊る。


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コメント

[C2885]

ひるのまりさん、こんばんは。
磔磔、いいハコですよね。長いこと行ってないけど。
磔磔とかでいいライヴを体験すると、いくら外タレ大物でもドームとかアリーナとかっていまいちそそられなくなります。
フェイセズかザ・バンドを磔磔で観られたら最高なんですけどね。Jガイルズでもストーンズいいや(笑)。

  • 2016-08-22 22:29
  • goldenblue
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  • 編集

[C2884]

磔磔には 思い入れがありますね~
ライヴハウスの距離が音楽を聴くには一番いい
距離で一体感はんぱない!
’88年はもう音楽どころじゃなくて ボ・ガンボス知らないんですが 興味そそられます♪
若いときにきいた音楽って自分の宝物というか 肥しであることは間違いないです!!
  • 2016-08-21 20:23
  • ひるのまり
  • URL
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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