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♪FOLLOW MY MIND

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Follow My Mind / Jimmy Cliff

Look At The Mountains
The News
Im Gonna Live Im Gonna Love
Going Mad
Dear Mother
Who Feels It Knows It
Remake The World
No Woman No Cry
Wahjahka Man
Hypocrites
If I Follow My Mind
Youre The Only One

ジミー・クリフさんの音楽は季節によらず、またどの時代のものだって、しなやかでみずみずしくハリがあってリラックスできて、ひょうひょうとしつつもファイティング・スピリットがあって全部大好きなんだけど、中でも70年代中期、アメリカのリプリーズから出した「Follow My Mind」と「Give Thanx」の2枚のアルバムがとても大好きで。
2枚とも録音はいつものワンネス・バンドとのジャマイカ録音に、ジム・ケルトナーやジェシ・エド・デイヴィスなど一流のスタジオ・ミュージシャンを招いたLA録音が半々の構成なんだけど、特にLAでのソウルとレゲエのクロスオーヴァーな音がいい。このアルバムならDear MotherやWho Feels It Knows It 、If I Follow My MindやYoure The Only Oneなんかがそうかな。 ジミーさんの持つソウルっぽい側面をより引き立たせているっていうか、ソウルとレゲエの共通項が見事に描き出されているというか。

ジミー・クリフという人の立ち位置はレゲエというジャンルの中ではちょっと微妙なんですよね。
ラスタではなくブラック・モスレムだということもあってか、ゴリゴリのレゲエ好きからは、日和っている、ソフィスティケートされすぎている、資本主義に魂を売っていると蔑まれがち。だからといって一般的なポップからすればやっぱり独特のバタ臭さ辺境っぽさがあって、結局どっちつかず的な。
でもその絶妙なバランス感覚が好きなんですよね。
原理主義にも商業主義にも染まらないバランス感覚。ひとつの価値を絶対視せずにバランスよく取り込んでいく感覚。中和と中庸。根っこのところでは自身のルーツに忠実でありつつ、ソウルにしろアフリカ音楽にしろサンバにしろ、他の文化のエッセンスを上手に取り込んでいくある意味でのいい加減さ。

バングラデシュでのテロ。ミネソタやルイジアナでの警官による黒人射殺とダラスでのその報復。
トランプさんにしろイギリスのEU離脱にしろ、純粋主義や原理主義ってやばいんじゃないかって思うんですよね。
ゴリゴリの純粋主義を貫いてこうとすると結果的には暴力で力を誇示したくなる。右にしろ左にしろ、それは同じだ。
ジミー・クリフさんみたいにもっといい加減でいいんじゃないかと。
音楽にしろ、食べ物にしろ、いいものは国境を超えて愛されていく。中国や韓国が嫌いな人でも中華料理や韓国料理は大好きじゃない?アメリカ嫌いな人でもアメリカ映画やアメリカ音楽は大好きじゃない?だったら、その向こう側にある風土や人柄もきっと愛せるんじゃないか、と。
もっといい加減に、いいと思うものはどんどん受け入れていっていい。文化なんてそうやって混ぜこぜになりながら変わっていくものなんだから。
本来文化の摩擦なんかじゃない経済問題であることを、文化の問題にすり替えたがる奴らに騙されちゃいけない。

このアルバムの大好きな曲で“Wahjahkaman”って曲があって、この曲の中でジミーさんはこんなことを歌っている。

 I never needed nobody, to show me how to walk
 I never needed nobody, to teach me how to talk
 Never needed nobody, to tell me make my mark
 I'm experienced man, I can understand,
 I know how to get along

 Wahjahka man, in a any land,
 In a Jamaica, in a Britannia
 Wahjahka man, in a any land,
 In a Africa, in America
 uh huh hey hey

ワジャカマン。自分の考えに依って立ち、寄り添うことを知っている人のことをジミーさんはそう歌っている。それはジャマイカにもイギリスにもアフリカにもアメリカにもいるんだって。
そういうとらわれないワールドワイドでオープンマインドなジミー・クリフさんはやっぱりグレイトです。
つまり、心も体もオープンにしてゆるめて、楽しいことを楽しみ、自分の頭で考えて行動すること、それが世界平和への第一歩ではないかと(笑)。いや、冗談ではなく、わりとマジでそう思っているんだけど。
ちょっとしたことでムカついたとき、自分で心が狭いな、と思ったとき。頭の中でジミー・クリフを鳴らすのだ。本当の敵はそんなちっさいのじゃないぜ、って。

選挙サンデー。
国の方向性を今の政権に託すのか、NOを突きつけるのか、という点では大切な選挙だと思う。
代案を出さずにケチばっかりつけている野党のやり方がいいとは思えないけれど、「この道しかない」って断言して異論を封じ込めるようなやり方にはもっと共感できないな。
そもそも断言を多用する人は危険なんじゃないかな。
「この道しかない」って断言しちゃった以上、絶対に失敗を認めないまま突き進んでいくのだろうし、信任を得たとばかりに今は表に出していないテーマについてもしたり顔で出してくるに違いない。
僕はNOだな。





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コメント

[C2862]

Bach Bachさん、こんばんは。
こちらも暗澹とした気持ちでテレビを見ています。
うーん、この数年で改憲発議までは行くのでしょうねー、改憲には国民投票が必要ですが、イギリスの例とか見ると心もとないですがね。
ただ、福島県と沖縄県で現職の大臣が落選、というのが今の政権の弱者に優しくない姿勢とそのことへの怒りを表しているように感じました。
そのことをどう考えるのか、まだ遅くはないと思っています。
  • 2016-07-10 23:27
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2861]

選挙、行ってきました。今、テレビで開票速報を空しい気持ちで見ています。正義という大義名分のもとに、自分の子供が「本当は」資本主義世界体制拡張のための戦地に送られて銃を持たされても、自由化という美辞の裏側で日本の自給社会確立への道が絶たれても、ろくに自分で歴史すら学ぼうとしない日本人に文句を言う権利はないですね。本当に、ジミー・クリフでも聴いて気を紛らわさないとやってられません。

ごめんなさいね、もしgolden blue さんのブログにそぐわない内容の書き込みであったら、削除してください。

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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