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♪PARADISE & LUNCH

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Paradise and Lunch / Ry Cooder

Tamp 'Em Up Solid
Tattler
Married A Man's A Fool
Jesus On The Mainline
It's All Over Now
Fool For A Cigarette/ Feelin' Good
If Walls Could Talk
Mexican Divorce
Ditty Wah Ditty

ライ・クーダーが好き、っていうとどうも通ぶってるみたいでどこか居心地が悪い気が少ししてしまう。
ブルースから大きな影響を受けてスライド・ギターを学び、60年代の半ばからからセッション・ギタリストとして活躍、多数のミュージシャンから絶賛されるミュージシャンズ・ミュージシャン。
もちろん音も悪いはずがないのだけれど、正直どのくらいすごいのかはいまいちピンと来ない。すごいんだろう、っていうのはわかるんだけど、それが心にぐっと来るかどうかはまた別問題で。「パリ・テキサス」なんて退屈なだけやん!なんて(笑)、暴言を吐きたくもなってしまうのだけれど、そんな中でこのアルバムはかなり好き。
それはもう、単純に、このアルバムにあるゆるーい空気が気持ちいいから。
ゴールデンウィークだからってあくせくどっかへ出かけなくっちゃって出かけていって渋滞や人混みで疲れて帰ってくるよりも、こういう音楽の世界にあるゆるーい気持ちよさに浸っているほうがよっぽど気持ちも体も休まるってもんだ。

このアルバムがいいな、と思うのは、土や木の葉やお陽様の匂いがするところ。穏やかでゆるーい風が吹いているところ。次作「チキン・スキン・ミュージック」もゆるいんだけど、あれはもうちょっと黄昏寄りで、このアルバムはもうちょっとお陽様の位置が高くにある感じが一番気持ちいいな。
大らかでのどかで、ほんの少し哀しくて、ほんの少し滑稽で。 派手に何かやらかすわけではないけれど、地味だけど日々を生きている暮らしのにおいがする。
それはどこからくるのか、っていうと、歌が描き出している風景や心情の中にある。
ライ・クーダーはそもそもほとんど自分で曲を書かないけれど、古い歌の中に込められた情景や情感を描き出すのがとても巧い。古い昔に作られた歌の情景を鮮やかに蘇らせてしまう。土や木の葉やお陽様の匂いまで全部そのまま蘇らせてしまうのだ。
50年前にも100年前にも変わらずあったであろう、人が生きているからこその心のヒダを、憂さややるせなさを、別れの悲しみや実りの喜びをリアルに再現する。
まるでベテラン落語家が古典落語で登場人物を笑いあり涙ありでイキイキと演じていくのと同じように、古い歌を発掘しては歌とギターで変わらない人の営みを綴っていく。その温故知新ぶりはさしずめロック界の桂米朝、いや、ライ・クーダーの孤高の芸の追及ぶりや、たおやかさや美しさはむしろ春団治に近いか。

こういうゆるさの中にある気持ちよさや深さは、正直若い頃にはあんまりよくわからなかったな。
どれぐらいすごいかは今もってよくはわからない。
でも気持ちいい。
頭で理解しようとするよりも、気持ちいいかどうかが大事。
音楽って、けっきょくはそういうものですよね。





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コメント

[C2829]

おぎてつさん、こんばんは。
CDが一般化したのは僕が21か22の時でしたので、それまでは一生懸命LPレコードを聴いてました。
誤って傷つけてしまったり、変な場所に置きっぱなしにしてぐにゃぐにゃにしてしまったりがとても悲しかったので僕はCDの方が好きですが(笑)、LPは簡単にスキップできない分、じっくり聴き込んだ気がしますね。
A面B面をひっくり返す間の時間も好きでした。CDでも元々のA面B面の間に少しブランクを入れればいいのに、って思ったりします。
あ、でもこのアルバムはCDで初めて聴きました。CDで再発されるまでは廃盤で出回ってなかったんだと思います。
でもその当時に聴いても、退屈で古くさい演奏と感じたかもしれませんが。
  • 2016-05-10 23:46
  • goldenblue
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[C2828] おぎてつ

当時、かなり歳の上の友人〈先輩)などと、新譜を買うと一緒に聞いたりしてました。だから、二人でレコードに針を下して、どんな音楽が聞こえて来るか、ウキウキしながら待つ、あの数秒の待ち遠しい時間...。 なんか、レコード時代が懐かしい。
このレコードは、この名曲から始まります!

[C2827]

ひるのまりさん、こんばんは。
ゴールデンウィーク明け、雨でいまいちパッとしないです。ゴールデンウィークの続きでゴロゴロしてたいですね(笑)。

ザ・バンドやクラプトンの70年代もゆるいけど、この盤のライ・クーダーはもっと伸び伸びとリラックスしてる感じがいいですね。
  • 2016-05-09 23:07
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2826]

このアルバム持ってます♪

ゆる~い音楽がいいって どこからやろ
ザ・バンドであったり クラプトンの「ブールバード」やったり 日本の高田渡なんかなどを 地道に聞いて 少しづつええなあ~と感じるんですね♪

ゆるキャラは 定着してますけどね!
  • 2016-05-09 17:39
  • ひるのまり
  • URL
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[C2825]

Bach Bachさん、こんにちは。
「紫の峡谷」、今聴くと弾きまくりでなかなかかっこいいんですが、若い頃にはちょっと渋すぎました。
今はこの「パラダイス&ランチ」のゆるさ加減がちょうどいい感じです。
  • 2016-05-08 17:53
  • goldenblue
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  • 編集

[C2824] ライ・クーダーのゆるさ

って、若い頃は良さがよく分からないですよね(^^)。僕は、「紫の峡谷」がよく分からず仕舞いで、パリ・テキサスのスライド・ギターで「おおっ」となって、ブエナ・ビスタで大好きになりました(^^)。パラダイス・アンド・ランチもカセットだけは残っているので、今度聴いてみます!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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