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♪6月 季節の変わり目にはココロも風邪をひく

風邪をひいてしまった。

金曜日の午後ぐらいからどうも頭が重くて喉がいがらっぽくて、あ、やばいかもと思ってるヒマもなく、ガンガンと痛みが襲ってきてフラフラしてきたのだ。

季節の変わり目は体調を崩しやすい。
ましてや、どうもシャキッとしないお天気が続く毎日。
あっちこっちから噴出してくるボヤボヤと、上からかけられてくる圧力を、どうにかこうにかカラダ張って凌いでるんだぜ。なのになんだか空回り感も否めないから、まるで解体現場で一生懸命掃き掃除をしているような徒労感を感じたりして、そんなこと繰り返していたら誰だって疲れも溜まるし、ココロだって風邪をひく。
そんなザラザラした気分には、あえてザラザラした音楽。
もやもやした湿気がまとわりつく。
どんよりした空を眺めながら、深い海の底にでも潜り込むような気分で息を潜めて回復を待つ。
いっそ雨でも降ればいいのに、それもとても激しく、などとと願いながら。 


 また見つけたよ     Live in Italy    ターン・ターン・ターン

オートマチック・フォー・ザ・ピープル    ディラネスク 
 

また見つけたよ/友部正人
友部自身のギターとハーモニカのみで歌われる、強烈な存在感の歌たち。
友部の言葉の一つ一つが、心に響いてくるなんて生易しいもんじゃなくガッツンゴッツンとぶつかってくるから、僕はもうただ圧倒されて呆然と立ちすくんでしまうしかないのだ。

Live in Italy/Lou Reed
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代からずっと、人生の暗部を切り取ってきたようなストーリィを歌うルーの、ぶっきらぼうでぼそぼそした、しかし明確な意図を持った声。その後で延々と鳴り響くロバート・クインの引きつった痙攣ギターと、対照的によくうねるリズムの絶妙のコンビネーションがかっこいい。
音楽がただ鳴り響いている心地よさに引き込まれてゆく。

Turn! Turn! Turn!/The Byrds
霧の向こうから響いてくるようなロジャー・マッギンの12弦ギター。浮遊感のあるコーラスワーク。
どこかアシッドな感覚が、風邪で熱っぽい脳味噌にすんなり浸みこんでいく。

Automatic for the People/R.E.M.
曇り空の日に、鈍い光を放ちながら静かに流れる河。その土手の草むらにひっそりと咲いている小さな白や紫の花…そんな光景が浮かんでくる。
全体のトーンは、静かで内省的で重く暗く絶望的だけれど、心の奥でしっかりと失わないよう持ち続けている小さな意思を感じることができる。その力に少し癒される気がする。

Dylanesque/Bryan Ferry
ブライアン・フェリーって、キザったらしくてナルシスティックでぬめっとした感じがあんまり好きじゃなかったのだけど、なぜか最近妙に好き。ロッド・スチュワートとも共通するような、同じ失敗をやらかしては反省し泣きついて許しを乞い、でもまた同じ失敗を繰り返してしまうようなダメ男っぽさに妙に共感を感じるのだ。
このアルバムは、ボブ・ディランのカバー集。その昔、“激しい雨が降る”の秀逸なカバーをしていたフェリー、一見何の共通点も無さそうだけど、その震える声で歌われるディランナンバーは、本人のものよりずっとナイーヴで心に浸みる。



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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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