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♪UNDER THE COVERS (Completley)

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Completly Undet The Covers / Matthew Sweet & Susanna Hoffs

なんだかどんより重い気分だけど、あえて明るくてポップなのを選ぼう。
ってことで、つい先日ゲットした、マシュー・スイートが、バングルスのスザンナ・ホフスと演ったカバー曲集。
2006年のVol.1が60年代、その後70年代特集のVol.2、80年代のVol.3とシリーズで出てたのが、配信のみだったボーナス・トラックも含めての4枚組のボックスで先月再発されて、興味はあってyoutubeとかではちょこちょこ見てはいたのだけれど、界隈の同世代にもかなりウケがよかったみたいなのでつい買ってしまったというわけです。
この曲目は、ま、確かにそそられるわね。
そういや、マシューもスザンナもほぼ同世代だし。

いかにもマシュー・スイートが好きそうなニール・ヤングのCinnamon Girlやザ・フーのKids are Allrightなんてもう文句なしにかっこいいよなー。気合い一発ラモーンズのI Wanna Be Sedeadedやモット・ザ・フープル/ボウイのAll The Young Dudesもまったく期待通り。あと10分近くを完コピのテレヴィジョンのMarquee Moon。スザンナが歌うヴェルヴェッツのSunday Morningや、クリッシー・ハインドになりきったようなKid、クラッシュのTrain In Vain、ビートルズのAnd Your Bird Can Sing。クラッシュやビートルズからこの辺りを選ぶのはさすが。あえてなんだろけどストーンズを一曲も選んでいないのもさすが。スザンナの歌うRuby Tuesdayとかマシューの歌うUnder My ThumbとかデュエットのGimmie Shelterとか聴いてみたかったけどね。
ただ、この手の名曲がかっこいいのはある程度わかっていたこと。
それよりも意外とおおっーと唸ったのは、いわゆるゴリゴリのロック・ナンバーじゃないカバーの出来の良さでした。
リトル・フィートの原曲とまるで雰囲気の違うWillin'はリンダ・ロンシュタットのバージョンが参考なのか?そのリンダがいたストーン・ポニーズのDifferent Drumや、フリートウッド・マックのSecond Hand News、ブロンディーのDreamin'、ブレッドのEverything I Ownなどなど、ポップな曲がポップなまま、それでいてかなりロック好きの琴線に触れる独特の質感で再構築されている感じ。
原曲を知らないのもたくさん、たぶん20曲以上あったんだけど、中でもかっこいいなぁーと思ったのはイエスのカバー、I've Seen All Good People/Your Move。イエスのファーストに入ってるんだってね。

改めていいなぁーと思うのはスザンナさんの声のなんとも言えない魅力だね。
いや、もちろんマシュー・スイートもかっこいいし、マシューあってのこのコンセプトなんだろうけど、3作も続く人気シリーズになったのは間違いなくスザンナの声のおかげだと思う。
あるときはニコ、あるときはカーリー・サイモン、あるときはリンダ・ロンシュタットに、スティーヴィー・ニックスに、クリッシー・ハインドに、デボラ・ハリーに、と変幻自在になりきれる、ある種の女優っぽさっていうか。その一方で、Maggie MayとかMore Than ThisとかKiller Queen、ロッド・スチュワートやブライアン・フェリーやフレディー・マーキュリーといった個性的な男性ヴォーカルの曲も自分のカラーで違う色合いに変えてしまうしたたかさ。クラプトンのBellbottom Bluesでのさらっと干し草の匂いがするような歌い方とか、いいなぁー。
もちろん、バック・コーラスに回ったときの存在感もすごく素敵。
グラム・パーソンズのA Song For Youやコステロの(What's So Funny About) Love,Peace and Undestanding、とびきりポップになったIt's All Over Now, Baby Blueでのかっこいいハモリ。ジョンのGimme Some Truthのラストの方での金切り声のシャウトもトム・ペティのHere Comes My Girlのキュートなコーラスも、エコー&ザ・バニーメンのKilling Moonでの幻想的でクリアーなコーラスも素敵だ。
マシューのハスキーな歌を後ろからキラキラ灯り当ててる、その明と暗、シェイディーとクリアのコントラストの妙。
そういや、マシューさん、お得意のニール・ヤングやディランはもちろんですが、トム・ペティのカバーはずっぱまりだね。Free Fallingは大好きな1曲でした。

とまぁ、長々書いてると全60曲全部にコメントしちゃいそうなのでこの辺にしておきますが、これは確かに長く聴ける愛聴盤になりそうです。
偉大なポップ・ソングへのリスペクトと、なんていうんだろうか、どんな歌をどんな風に演っても滲み出る少し歪んだ直球一直線じゃないちょっとひねた感じや、斜に構えているっぽくってとても素直なところ、カラッと乾いてはいるけどノーテンキではない感じ、装飾をできるだけ排したシャープでアタックの強い音と、やや繊細でざらつき気味の音色、そのあたりがとてもパンク以降の世代のものという気がする。あと、基本的なものはすべて出尽くしたパンク以降の世代ならではの、古いものから新しいものまで、へヴィーなものからポップなものまで全部をフラットに引っ張り出してこれる引き出しめちゃくちゃ広い感にも同世代として共感してしまうわけで。
ジョン・ライドンが「ロックは死んだ。」って言ってから30数年、その墓場にはこんなにきれいな花が咲いているんだよな。



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コメント

[C2712]

LA MOSCAさん、毎度です。
今、konomiさんたちのライヴからの帰り、新幹線の中で4枚組ぶっ通しで聴いてました。
ふわっとハッピーかつ脱力気分のときはとくにいいね、コレ。
  • 2015-11-22 11:29
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2709]

どーも、界隈の同世代です(笑)
買いましたね~。
そうだね、ストーンズ。
曲名出されてるのいいね。
思わず想像してしまいました。
聴いてみたい!

[C2708]

名盤さん、こんにちは。
VOL,3は2013年に出てました。ヒット曲はプリンスのI Would Die 4 UとロキシーのMore Than This、あとGo-Go'sくらいで、どっちかっていうとマニアックな選曲になっています。
  • 2015-11-21 08:22
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2707]

VOL.1とVOL.2は持ってるけどVOL.3が出てたの知らなかった。。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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