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♪JUMPIN' JIVE

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Jumpin' Jive / Joe Jackson

Jumpin' with Symphony Sid
Jack, You're Dead
Is You Is or Is You Ain't My Baby
We the Cats (Shall Hep Ya)
San Francisco Fan
Five Guys Named Moe
Jumpin' Jive
You Run Your Mouth
What's the Use of Getting Sober (When You're Gonna Get Drunk Again)
You're My Meat
Tuxedo Junction
How Long Must I Wait for You

コステロと並ぶ英国ロック界きっての偏屈男、ジョー・ジャクソン。
この人、結構好きだったのだ。
最初に聴いたのはヒットした"Steppin' Out"が入っていた『Night and Day』、それからその次に出た『Body and Soul』からはホーン・セクションがかっこいい"You Can't Get What You Want"が大ヒット。ぶっきらぼうだけど粋な感じがかっこよくって。薄毛のパッとしないルックスなのにその佇まいがめっちゃかっこいいことも好きになった理由の一つ。当時はJAPANとかデュラン・デュランとか、やたらと女子ウケする王子様ルックス的なお兄ちゃんたちが音楽雑誌を中心にもてはやされていたから、そういうのじゃないかっこよさに憧れていたのだと思う。
元々はもっとパンクっぽいのを演っていたって聞いて貸しレコード屋でファーストやセカンドを借りてきて、おーっ!めっちゃかっこええやんっ!ってなって、続けて聴いたのがこれだったかな。資料によると1981年の作品、ルイ・ジョーダンやキャブ・キャロウェイが演っていたコンパクトなバンドによるいわゆるジャンプ・ブルース/ジャイヴ・ミュージックのカバー集なんだけど、ヴォーカルはけっこうパンクっぽい毒づいたようなシャウトで、そのアンマッチ感がとっつきやすかった。
バンドの演奏は完璧にグルーヴィー。ベースがぶんぶん唸って、ピアノがコロコロ転がって、サックスが朗々とソロを吹いて、ホーン・セクションが合の手を入れる。ドラムはシンプルだけどけっこう荒っぽくってロックっぽい叩き方と響き方。
最初は半分はなんだこりゃ、と思いながら、だんだんとこの音楽の懐の深さや音の表情の豊かさ、それからリズムの愉しさに惹かれていったのだ。
これ、今聴いてもめちゃくちゃかっこいいよ。
こんな音を出しているバンドがあったら、一晩中ビール飲みながら聴いていたいような気分になる。

当時のイギリスのミュージシャンはこういう偏屈男が多くって、大好きなロックを大好きな形のまま演らないひねくれたところ、いわゆる批評的精神を持って自身の音楽をクリエイトしている人たちがたくさんいた。カントリーに走ったりモータウンっぽいのに走ったりとアルバムごとにスタイルを変えたエルヴィス・コステロや、スタイルカウンシルでジャズからボサノヴァからラップまでを取り入れて見せたポール・ウェラー。自分がジャンルのみならず、時代を超えた古い音楽も含めて幅広くいろんな音楽を楽しめるようになったのには実はこういうひとたちからの影響がとても大きいのだと思う。
ロックがまだカウンターカルチャーとしての批評性を持っていて、流行に流されずに自分なりのヒップ&クールを追求したミュージシャンたちがたくさんいた、それを面白がってちゃんとリリースする環境があった80年代の音楽シーンってのはやっぱり豊かで面白い時代だったんだな。




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[C2702] Re: J.J.

deaconblueさん、こんばんは。
ジョー・ジャクソンさん、実は英国ロイヤル・アカデミーを出た秀才らしいですね。
だからこそのぶっ飛びぶりなんでしょうか。
学習して咀嚼したことを、ちょこっと取り入れてみましたではなく作品コンセプトとして徹底的にやっちゃうのがすごいですよね。
  • 2015-11-15 22:44
  • goldenblue
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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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