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♪NICK OF TIME

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Nick of Time / Bonnie Raitt

Nick Of Time
Thing Called Love
Love Letter
Cry On My Shoulder
Real Man
Nobody's Girl
Have A Heart
Too Soon To Tell
I Will Not Be Denied
I Ain't Gonna Let You Break My Heart Again
The Road's My Middle Name

ソロ・アーティストがけっこう好きみたい。
もちろんバンドにはバンドにしか出せない楽しさやおもしろさ、かっこよさがあって・・・ザ・バンド、リトル・フィート、フェイセズ、Jガイルズバンド・・・バンドのメンバーが有機的にからみあってスパークするからこそ起きるエキサイティングな瞬間はバンドならではこそ。
でもそういうかっこよさとはまた違う、ソロ・アーティストの、その人にしか出せない味わい、みたいなものも好きなんだな。
明確なステイトメントや自己主張はソロで演っているからこそ、っていう部分。どんな音がバックを固めようとも揺るがない、その人が歌い演奏するからこその魅力、みたいなものが。

日常生活でも感じることだけどね、なんだか自分たちばっかりがしんどい仕事と重い責任を押しつけられている、みたいにつるんではボヤいてばっかりの連中よりもね、つるまずに仕事を仕事として受け止めてまっとうに努力しているひとたちの方がかっこいい、なんて思うことがたびたびあります。
いや、それは余談だけど。
ただ、つるまずに、のっからずに、ソロで戦えるだけの度量があるかどうか、ってのはけっこう大事なポイントだ。
もちろん一人では何にもできない、仲間と助けあったり支え合ったりしながら物事はよりよく進んでいくもの。でも、肝心なことは自分自身で考えて決める、どこへ行っても自分自身の、キャラも含めた能力で戦っていける、そういう意識を持っているソロの個人が集まってはじめてスパークする何かが生まれるんじゃないか、と思うわけで。
一人一人がちゃんと一人の個人として充実した暮らしを送る、自分で考えてその考えを明らかにする、お互いの考えの相違点を認めつつも共通の部分にはともに力を合わせることができる、そーゆーことができて成熟した民主主義の社会ができあがるんじゃないのか、なんてことまで言いだすと話はずいぶん大きくなってしまいすぎるのだけれど(笑)、そういう意味でもソロでありたい、ソロであれるようでありたいと思うのですよね。
いや、そんなふうに肩肘張っちゃいけないな。ナチュラルに、スッとソロで立てる、目指したいのはそんな感じ。

さて、そんなわけでボニー・レイットさん。
長年在籍したワーナーから「レコードが売れない」との理由で首を切られ、私生活でも失恋やトラブルが重なり、失意の底でアルコール中毒になっていた時期から抜け出して、6年ぶりにレコーディングされた作品が、この『Nick of the Time』。
ワーナー時代の晩年は「売れない」ということに対してなりふりかまわない売れ線狙いの作風にもチャレンジしていたけれど、そういう方向性はきっぱり捨ててのシンプルで素朴な作りで、まるで70年代初期の頃みたいに、さらっとしつつ芯が太くて時々豪快な、ごわっとしたデニムのような肌触りの感触に仕上がっているこのアルバム。
そしてそうやって吹っ切ったナチュラルな作品が大ヒットするのだから不思議なものだ。
でも、そういうものなんでしょうね。あざとく狙ったものは所詮見透かされる。それよりもこのアルバムにあるボニーさんの自然体が共感を呼んだのだと思う。売れようが売れまいが私が演りたいのはこんな音楽なのよ、ということを力まずさらりと演ってみせる魅力。売れない時期も含めての紆余曲折の中で培われた大人の成熟した魅力と、だからといって枯れたわけじゃないじゃじゃ馬娘の奔放な輝きや潤いが、自然体だからこそ歌の中にじゅうぶんにしみわたっている。

50も近くなると、組織の中での自分の立ち位置というのも良くも悪くも意識せざるを得ないときがあって。時々無理もする、でもそういうときはだいたいうまくいかないね。やっぱり自分に見あった自分なりの味で仕事したいですよね。それが求められているかどうかはもう天に任せて、自分らしさを全うする。肩肘張らずに、ナチュラルに、ソロとしてスッと立つ。
この先まだまだ続く60代70代にもいわゆる濡れ落ち葉みたいになってみじめな老後をさらさないためにも(笑)、一人で自然体で、という充実感は身につけておくべきだと思う。他人には頼らない、いや、頼るときには頼るんだけど依存はしない。
あ、でも、やっぱり肩肘張っちゃだめだな。ナチュラルに、ソロで。
楽しいことも悔しいことも、いっぱい経験しておけばきっとそういうのが熟成されて、ナチュラルに、ソロでいられるようになれる気がするのです。
ということにして、今を堪え忍ぶことにする(笑)。
5月の薫る風によく合うボニーさんのナチュラルな歌を聴きながら、ね。



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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