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♪PATTY SMYTH

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Patty Smyth / Patty Smyth

No Mistakes
Too Much Love
Make Me A Believer
Sometimes Love Just Ain't Enough
Out There
River Of Love
My Town
Shine
One Moment To Another
I Should Be Laughing

80年代初めに“ザ・ウォリアー”を大ヒットさせたスキャンダルというバンドがあった。
リード・シンガーのパティ・スマイス、元気で健康的な感じ、「あたしロックなのよ。」って突っぱってみてはいるもののどこか愛らしさのこぼれる感じは、大柄でドスのきいたお姉さまたちの多かった当時の女性ロック・シンガーの中では妙にかわいらしさが際立っていた。
そんな彼女の“ザ・ウォリアー”のヒットから8年後の1992年に発表された2枚目のソロ・アルバム。ドン・ヘンリーとデュエットした“Sometimes Love Just Ain't Enough”がかなりのヒットになった。
なんとなくね、最高に大好きってほどではないけれど妙に心地よくて、さらっと流すにはちょうどいい、落ち着く音なんですよね。
音そのものは、適度にソフィステケイトされたややハードロック系のポップロックとコンテンポラリーなバラード。基本バンド・サウンドなんだけど、シンガーの歌のバックアップに徹したプロフェッショナルなサウンドだからこそ、音楽の出来を左右するのは歌そのものとなるわけで。パティさんはけっして巧いシンガーではないけれど、どこか一本ビシッと芯が通った存在感があって、なんていうか、歌から強い意思を感じるのです。
スキャンダルの頃の歌には、バンドの音にのっかってるだけのアイドルっぽさというか、作られたスター感があるのだけれど、このアルバムで感じられるのは、ずっと大人になった一人の女性としての意思。
パワフルなんだけど、それは筋肉系のパワーじゃなくって、意志の強さのようなパワフルさ。
なんでも、ヴァン・ヘイレンからデイヴ・リー・ロスが脱退したときには後任ヴォーカリストにと熱心に誘われたらしいけど、スパッと断ったんだそうで、なるほど、キュートなルックスに似合わずそういうエピソードが頷けそうなガンコっぽさや男気、いやこの場合は女気か、がかっこいい。
小娘の頃から業界をうろうろしていると、多分ちやほやもされただろうし、その一方でおそらく嫌になるような経験もたくさんあったのではないだろうか。見た目のかわいらしさだけで寄ってくる男ども、金や権力を背景に関係を迫るような輩、逆に同性からの妬みや謗り。
パティさんの力強いヴォーカルは、ちやほやされたってあんたたちの思い通りにはならないわよ、妬まれようが謗られようがあたしはあたしよ、という思いを抱きつつ、はねっかえらずにその怒りや失望を自分自身の成長へと繋げていこうとした結果得た強さのような気がするのです。
だからといってギスギスに突っ張ったりガチガチの頭でっかちになっているわけでもない、もちろん変に媚びて女としてのセクシーさを売りにもしない。凛として咲き誇る一本の花のように大人の女性らしい可憐さとナチュラルな佇まいが素敵。

その後パティさんは、あのジョン・マッケンローと結婚して引退。このアルバムが現段階では最後のアルバムとなってしまっているのだけれど、今もスキャンダルとしてライヴを演っているらしい。
Youtubeを見る限りでは、今ではすっかり落ち着いたアメリカン・マダムになった風情なのだけれど、そういう歳の取り方もありかな、と思ったりします。


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コメント

[C2692]

ezeeさん、毎度です。
“ザ・ウォリアー”、大ヒットではなかったような気もするけど、自分のまわりではかなりの大ヒットでした。我々の世代のリンダ・ロンシュタット、っていう趣きでしたね。
このソロ・アルバムも、なかなか安定感のあるいい出来です。

  • 2015-11-07 00:11
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2691]

これは懐かしい! すっかり名前も忘れてたけど。
ザ・ウォリアー1曲しか記憶に残ってませんが、めちゃめちゃエエ曲でしたな〜 このテの曲は今やったら、スルーかもしれませんが、高校なった時くらいに初めてビデオが家に来でPV録って何回も見てました。青春!

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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