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♪IT'S YOUR NIGHT

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It's Your Night / James Ingram

Party Animal
Yah Mo B There
She Loves Me (The Best That I Can Be)
Try Your Love Again
Whatever We Imagine
One More Rhythm
There's No Easy Way
It's Your Night
How Do You Keep the Music Playing?

先日Youtubeをうろうろしていたら、たまたまあの世界的チャリティー“We are the World”のヴィデオを見つけて、ちょっと懐かしく観ていました。
スティーヴィー・ワンダーやブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディランにレイ・チャールズ、そんなそうそうたるメンバーに混ざって後半のサビ部分でしっかりリードをとっていたのがこのジェームス・イングラムさん。プロデューサーのクインシー・ジョーンズの秘蔵っ子とはいえ、ああいうメンバーの中で堂々と渡り合う姿はすでに大物です。ついつい見いってしまいまって、思い出したのがこのアルバム。1983年のソロ・デビュー作だ。

80年代前半は、ディスコ・ブームが一段落して、ブラック・コンテンポラリーと呼ばれる音楽が流行した時代でもありました。
当時の僕の黒人音楽のイメージは、洒落たスーツでびしっと決めたお兄ちゃんがよくわからないダンスを踊ったり女の子を口説いたりするようなちゃらちゃらしたもので、正直僕には何がいいんだかさっぱりわからなかった。フレディ・ジャクソンとかグレン・ジョーンズとかジェフリー・オズボーンとか、今ではやや黒歴史っぽいけど(笑)、バイトしていたレンタル・レコード店でもそーゆーのが好きでよくかけていた奴がいて、そいつがまたちゃらちゃらしたケーハクな奴で(笑)、フン、所詮は、売らんがために粗製乱造された商品じゃないか、と思っていたのだ。
そんな中で唯一といってもいいくらい好きだったのが、このジェイムス・イングラムさんだったのです。
パティ・オースチンとのデュエットでぐいぐいと盛り上がっていく"How Do You Keep the Music Playing? "や、しっとりと穏やかな"There's No Easy Way"やAOR風のやわらかな "Whatever We Imagine"、ひっそりとせつなさがにじみ出る"She Loves Me (The Best That I Can Be) "・・・正直あざといんだけどね、なぜかジェームスさんが歌うとあざとさを感じない。くどくない。胸焼けしない。
それはなぜなんだろうか?と考えると、やっぱりジェームスさんの音楽に向き合う姿勢というか、誠実さというか、要は踊らされているか、自らの意思によって踊っているかの違いなんじゃないだろうか、と思うのです。
"We are the World"での堂々とした歌いっぷりのように、臆することなく、取り繕うことなく、自分の持っているものだけでしっかり渡り合おうとすることが、ソウルを呼び覚ますのだ、と。

バラード・ナンバーがいくつもヒットしたせいで、すっかりバラーディアーとして認知されているジェームスさんだけど、例えばマイケル・マクドナルドとのデュエットでヒットした"Yah Mo B There "はとてもポップなR&Bだし、オープニングの"Party Animal "や"Try Your Love Again"みたいなぶりぶりのファンク・チューンや、クールな"It's Your Night "でのキレのある歌い方も実にかっこいいです。
元々この人、クインシー・ジョーンズに見い出されてデビューするまではファンク・バンドでキーボードを弾いていたらしいし、(大ヒットしたこの曲(カール・カールトンの"She's A Bad Mama Jama"のファンキーなキーボード!)、このアルバムには自作曲は含まれていないけれどあの世界的大ヒットの『スリラー』収録曲の"P.Y.T"が実はイングラムの作品だったりするわけで、このアルバムで一番大好きな"One More Rhythm "は、スティーヴィー・ワンダーの"Sir Duke"みたいなスイングが気持ちの良いビッグ・バンド・ジャズ風だったり、そもそもデビュー前から一線級のトータル・ミュージシャンだったのだな。そりゃ、凡百のつるんとしたシンガーとはそもそも違うわけだ。
シンガーとして売れなくても別に困らない、成功にしがみつく必要がない、だから踊らされることもなかったのだろうな。
成功とは得てしてそういう形で巡ってくるものなのだ。
売りたいばっかりの薄っぺらいものは所詮見透かされる。少しばかり話題になったところでどうせすぐに飽きられるのが関の山だ。結果に拘泥しないこと、ちゃんと魂を込めること、結局はそこなんだな。



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コメント

[C2694]

櫟コナラさん、こんばんは。
“Just Once”、いいですねー。あのアルバムには“One Handered Ways”という美しい曲も入っていました。
ほんと、いい声だと思います。

  • 2015-11-08 20:18
  • goldenblue
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  • 編集

[C2693]

こんばんは。

思わず、わぉ! って声が出ちゃいました。
こんなにすごい方だったんですね。
クインシー・ジョーンズの「The Dude」、持っていないんですけど、
あの中に入っていた「Just Once」が無性に聴きたくなることがいまだにあります。いい声ですよね~。
  • 2015-11-07 23:09
  • 櫟コナラ
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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