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♪GOODTIME FOR LOVE

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Goodtime For Love / 渡辺貞夫

Goodtime For Love
Love Birds Whisper in My Ear
When We Make a Home
Step Out in The Street
I Love to Say Your Name
Pogo
All The Way
Loving You is Easy

オリンピックも始まるので、ナベサダさんのサンバっぽいジャズを、と思ったのだけれど、ナベサダさんといえばやっぱりこのアルバムが一番好きで。

ナベサダさんの吹く音っていうのはどうしてこんなにもゆとりがあるのかな。
ゆったりと、安心してリラックスできる心地のよい音色とフレーズとメロディー。
ほっこり落ち着くし、きれいなメロディーだからといってあざとさがないし、いわゆるスムース・ジャズ的なくどさやエッチさがなく嫌らしくならない。優しさが押し付けがましくならない。
じとっとした湿っぽさもない、にもかかわらず例えば西海岸のフュージョンみたいにカラッと陽気なばかりではなく、日本的な和み感はちゃんとあるんですよね。歌の中に広がる青空は、スコーンと晴れたカリフォルニアの青い空ではなく、海岸線に入道雲がもくもくと湧いているような日本の夏休みの空なんです。
しかも、ジミー・クリフがパーカッションを叩くレゲエ・リズムの“Goodtime For Love”や、ベースのウィル・リーさんが歌う英語詞の“When We Make A Home”でさえ日本的和み感があるから不思議。

うん、でもきっとこれは不思議なことでもなんでもないんだろうな。
音楽というのは、演奏者の人柄や心象風景をそのまま描きだすものなのだから。
ましてサックスという楽器は、一番人間の声に近い性質を持った楽器だから、出てくる音色やフレーズやメロディーがナベサダさんの人柄そのものになるのは当然のことなのだろうし、人柄がそのまんま出てしまうことにこそ音楽を演奏する/聴く、の意味があるのだろうから。

いつだったかな、藤山直美さんと香川照之さんがテレビで対談していたときに、こんなことをおっしゃっていたのを思い出した。
「役者ってのはね、演じちゃダメなんです。セリフが頭から降りてくるようではダメ、セリフが自然に肚から出てこないと、演じていることはお客さんに見抜かれてしまう。」
本当のプロっていうのはそういうものなんでしょうね。
そういう意味では渡辺貞夫さんもそういうプロフェッショナルな芸人の一人で、人柄が音楽に全部出ている。演じていることを感じさせない。
これは本当は音楽や芸事に限らず、普通の人の日常生活にも当てはまることなんでしょうけどね。
その人の立ち居振舞い、表情、発言の言葉の選び方からトーンまで、ぜーんぶその人の人柄や生き方が見えてしまうもの。
結局のところは、技術や小手先ではなく、人間性そのものを磨くしかないんだよなぁ。
いつか、こういう和やかな音を出せる爺さんになれるといいよなぁー、なんて思いながら。
いや、多分無理だな(笑)。
じたばたするのもらしさのうち、ということに今はしておこう(笑)。




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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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