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♪R&B黄金時代の125曲 Disc5

さて、いよいよ完結編のDisc5。
1966年~70年。自分が生まれた頃にこういう音楽が世界のどこかのラジオから流れていたんだなぁ、と考えるだけで思い入れが深くなってしまう時代です。
時々、何を好き好んでこんな古い曲を聴いてるんだろうか、と思うこともあるのですが、なんていうのでしょうか、大袈裟な物言いをするならば、音楽を選ぶということはそのまんま生きるスタンスを選んでいるんだろうな、ということになるのかな、と。
正直言うと今流行している音楽にはあまり興味を持てないのです。何だか過去の遺産の焼直し感がしてしまって、それよりも昔の音楽の方がいろいろと発見があったり、何よりソウルがある、って感じてしまうんですよね。もう自分は自分で好きなことを楽しんでいくから世間の流れには無理してまではついていかないよ、という方法を無意識に選んでいるのかな。あえてよく言うならば、新しいことを取り入れて変わっていくよりも、今の自分を作った源流を遡っていくことの方に興味があるというか。社会に置き換えても同じで、今の世の中を作ってきたエッセンスというのはむしろ過去に多く存在するのではないか、と、まぁそんな感じ?

まぁそれはさておきの66年~70年。
R&Bは成熟期を迎えます。ロックの影響も受けつつ、よりビートが効いてグル―ヴィーに。
いずれも完成度が高くすんなり耳になじむ名曲ばかり。

101 . Neighbor, Neghbor / Jimmy Hughes (1966)
102 . You Can't Hurry Love / Diana Ross & the Supremes (1966)
103 . Blowin' in the Wind / Stevie Wonder (1966)
104 . A Place in the Sun / Stevie Wonder (1966)
105 . Hip Hug-Her / Booker T. & The MG's (1967)
106 . Respect / Aretha Franklin (1967)
107 . Take Me in Your Arms and Love Me / Gladys Knight & the Pips (1967)
108 . I Second that Emotion / Smokey Robinson & the Miracles (1967)
109 . She Shot A Hole In My Soul / Clifford Curry (1967)
110 . Darkend of the Street / James Carr (1967)
111 . Try a Little Tenderness / Otis Redding (1967)
112 . Soul Man / Sam & Dave (1967)
113 . Sweet Soul Music / Arthur Conley (1967)
114 . Show Me / Joe Tex (1967)
115 . Can't Take My Eyes Off You / Frankie Valli & the Four Seasons(1967)
116 . (Your Love Keeps Lifting Me) Higher and Higher / Jackie Wilson (1967)
117 . Tramp / Otis Redding & Carla Thomas (1967)
118 . That's All I Need / Magic Sam (1967)
119 .If I Could Build My Whole World Wround You / Marvin Gaye & Tammi Terrell (1968)
120. I'm Gonna Put Some Hurt on You / Raymond Lewis (1968)
121 . Love's Sweet Sensation / William Bell & Mavis Staples (1969)
122 . Reconsider Me / Johnny Adams (1969)
123 . Wonderful World, Beautiful People / Jimmy Cliff (1969)
124 . Small Axe / Bob Marley & the Wailers (1970)
125 . Soul Captives / Bob Marley & the Wailers (1970)


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■60年代のヒット曲が好きなのは、僕が音楽を聴き始めた頃の1980年代のヒット曲の数々が60年代ものをルーツに持っていることが多かったせいかもしれない。
フィル・コリンズの大ヒット"恋はあせらず"やボーイズ・タウン・ギャングの"君の瞳に恋してる"なんてを夜中にベストヒットUSAで見ていたし、当時チャートに上った曲にはカルチャークラブやスパンダーバレエやABC、或いはホール&オーツやポール・ヤングみたいに60年代ソウルっぽいものに影響を受けた人たちが多かったし、デヴィッド・ボウイーの『Let's Dance』やスプリングスティーンの『the River』なんかも60年代ソウルを意識した作品だった。当時はそんなこと意識していなかったせよ、こういう音は無条件に気持ちよくって、いわゆる刷り込みみたいなものですよね。
マーヴィン・ゲイは『What's Goin' On』など70年代ももちろん好きなんだけど、この時代のタミー・テレルとのデュエットが一番好き。ラブ&ピースの時代っぽいピースフルな楽曲と二人の幸せな歌唱、もわもわっとしたものに包まれるような気分になれます。
男女デュエットっていうのはいつの時代にも受けるのだろうけど、役者のレベルが揃っていることが大事。オーティス・レディングとカーラ・トーマスのコンビはちょっと時代に乗っかってやっつけた感があったりするけど、この"Tramp"なんかは夫婦漫才的なおかしさがあって絶品です。

soulman_original_alb.jpg  west_side_soul1.jpg   jimmy cliff jimmy cliff (reissue 2003)

■スタックスのソウル・サウンドを支えたのはブッカー・T&MGズ。オルガンのブッカー・T・ジョーンズ、ギターのスティーブ・クロッパー、ベースのドナルド・ダック・ダン、ドラムのアル・ジャクソンJr.。
オーティスはもちろん、ウィルソン・ピケットやサム&デイヴ、アーサー・コンレイやエディ・フロイド、数多の強力シンガーのバックでグルーヴ紡ぎ続ける彼らこそがソウルだ。
ダック・ダンの自由自在なベース、アル・ジャクソンJr.のシンプルでドタバタしたドラム、粋なリズムを刻むことに徹するクロッパー。余談ですが、日曜日にサザエさんのオープニング・テーマを聴くたびに、MGズ?と思ってしまいます。

■ブルースもこの時代にはかなりソウルミュージック的な変化をしたものがたくさん出てくる。ギラギラドロドロしたブルースが好きな人にとっては、マジック・サムの"That's All I Need"なんてもはやブルースとは呼べないようなようなへっぴり腰のサウンドに聞こえるのだろうけど、この人のこういう歌心感が好き。ブルースとソウルはこの後も濃い関係が続いていく。

■そして、R&Bの範疇からは外れると知りつつ、ボブ・マーリーとジミー・クリフをこっそり混ぜておきました。
ジャマイカで古くから歌われてきたメントを土台に、R&Bやロックンロールの要素が混ざってできたのがスカ、それがグル―ヴィーに進化していったのがレゲエ。
自由を求める戦いや、平和へのメッセージも含めてR&Bはレゲエに大きな影響を与えた。
電波に乗って聴こえてきたであろうアメリカのラジオ局から流れてくるR&Bに、ボブやジミーが共感しなかったわけはないのだ。


ということで、ぎっしり125曲。とりあえずウォークマンに突っ込んでこのところ毎日聴いている。
全部通して聴くと5時間以上かかるのだけれど、まぁどこから聴いてもかっこいい曲が流れてくるのだからOKだ。なにしろ無条件に楽しい。
5時間以上通して聴く機会があるとすれば、そう、例えば自分のお通夜とか。弔問客を前にお経なんかじゃなくってこういう曲が延々とかかっていたら楽しいな。あ、それじゃ自分は聴けないか(笑)。





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コメント

[C2599]

kooyanさん、初めまして。
アップした瞬間に即コメントいただけてびっくりです。
この時代の音楽はやっぱりいいですねー。飽きないしいつ聴いても気持ちが盛り上がります。
CDはありませんが、ほとんどはyoutubeで聴けるので、ぜひ楽しんでくださーい♪

お通夜にコレ、は真剣に検討しようかと(笑)。

[C2598] こんばんは!

はじめまして^^
どこかに売られてるのかなぁと思ってたら、違うんですね。
すごくこの5枚組CD欲しいです^^
知ってる曲が2,3割り位ありますが、年代的にどれも聴いてみたいですね!
お通夜にこれ流すとちょっとアレですが^^; それ面白かったです!
  • 2015-07-08 23:10
  • kooyan
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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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