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♪R&B黄金時代の125曲 Disc2

50年代の音楽に初めてちゃんと触れるきっかけになったのは実は佐野元春でした。
それ以前にも『アメリカン・グラフィティ』なんかで接してはいたと思うけど、そのときは甘ったるい懐メロって印象しかなかったな。
佐野元春のセカンド・アルバム、『HEART BEAT』の中の一曲、「悲しきRadio」のブリッジ部分、“ジーン・ヴィンセント、リトル・リチャード、チャック・ベリー、バディ・ホリー、Any Old Rock’n’Roll  ビートに恋してるRadio Kids、心はいつでもOver Heat”ってフレーズがあって。
ビートにのせて元春が早口でまくしたてる。
あぁ、そうなんだ、ジーン・ヴィンセントやリトル・リチャードやチャック・ベリーやバディ・ホリー、そういう偉大な人たちがいてこーゆーかっこいいロックンロールが日本に生まれたのだな、じゃぁ聴いてみなくちゃ、ってなことで高校生の僕はその手のオールディーズがかかるFM番組をチェックしまくったのだ。モトハル・レディオ・ショウでもこの手の曲はわりとたくさんかかったし、そういう番組なんかを通じて、R&Bやソウル・ミュージックと呼ばれる音楽があることを知り、ビートルズやストーンズが実はR&Bのカヴァーばっかり演っていたことを知ったのだった。

26 . Honest I Do / Jimmy Reed (1957)
27 . I'm a King Bee / Slim Harpo (1957)
28 . Further on up the Road / Bobby Blue Bland (1957)
29 . That'll be the Day / Buddy Holly & the Crickets(1957)
30 . Lonesome Tears in My Eyes / Johnny Burnette Trio (1957)
31 . Everyday / Buddy Holly & the Crickets (1957)
32 . C'mon Everybody / Eddie Cochran (1957)
33 . That's Right / Carl Perkins (1957)
34 . Jailhouse Rock / Elvis Presley (1957)
35 . You Send Me / Sam Cooke (1957)
36 . Troubles,Troubles,Troubles / B.B King (1957)
37 . All Your Love / Otis Rush (1958)
38 . Good Golly Miss Molly / Little Richard (1958)
39 . Around and Around / Chuck Berry (1958)
40 . Slow Down / Larry Williams (1958)
41 . Lonely Teardrops / Jackie Wilson (1958)
42 . Do You Wanna Dance / Bobby Freeman (1958)
43 . You Can Make It If You Try / Gene Allison (1958)
44 . Try me / James Brown (1958)
45 . I Don't Know / Sonny Boy Williamson Ⅱ (1959)
46 . Wish Me Well / Memphis Slim (1959)
47 . Crackin' Up / Bo Diddley (1959)
48 . Just a Little Bit / Rosco Gordon (1959)
49 . Sea of Love / Phil Phillips & the Twilighters (1959)
50 . Hippy Hippy Shake / Chan Romero (1959)

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■チャック・ベリー、当然大好きなんだけど、かっこよさでいえば断然エディ・コクランだな。そして一番好きなのはバディ・ホリー。
ジョン・レノンが“Peggy Sue”をカバーしているのを聴いて、コードのカッティングだけでジャジャジャジャーン、ジャジャジャジャーン、ジャーン、ジャカジャジャッ、ジャカジャッって演るのをかっこいいーっ!って思って、原曲を聴いたら原曲がまんまそのまんまだったのにびっくり。あ、でも”Peggy Sue”選んでないや。
ジョンといえばラリー・ウィリアムスが大好きだったようで、ビートルズでもソロでもたくさん演ってるし、ウィリアムスと並んで荒々しくて破天荒なリトル・リチャードの”Good Golly,Miss Molly”はスプリングスティーンがアンコールで必ず演る曲だった。
クラプトンはオーティス・ラッシュやボビー・ブランドをカバーしてたし、ストーンズはジミー・リードやスリム・ハーポらシカゴやルイジアナのブルース、それからプレスリーの”監獄ロック”といえばやっぱり思い出してしまうのは映画ブルース・ブラザースのラストのシーン・・・と、ロックの名盤を聴きながら、ロックのルーツにあるブルースやロックンロール、R&Bについてもっと深く知りたいと思ったのは当然のことではあったのだ。

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■50年代半ばに次々とデビューしていったシンガーたち。思いっきりの一発屋で終わった人たちの中に混じって、後に超ビッグ・ネームになる人たちもこの時期に大挙デビューしている。
ゴスペル・グループの看板スターから転身して、白人受けしそうなストリングスも交えた甘いアレンジでコーティングしつつもブラック・アメリカンとしての誇りを歌ったサム・クック。
貧しい少年期から一攫千金の下克上を目指してソウルのこもったパワフルな楽曲とキレのいいダンスでその後のモータウンにも影響を与えたジャッキー・ウィルソン。
同じく悪ガキだったジェームス・ブラウンは鑑別所で音楽を覚え、サム・クックとは逆にアフロ・アメリカンらしさを臆することなく発露し、黒人たちが誇りと尊厳を取り返していくファンクなエネルギーを送り続けた。
一介のジャズっぽいピアニストだったレイ・チャールズは、R&Bに教会のお説教を模したコール&レスポンスの応酬を組み、B.B.キングはゴスペル譲りのおおらかなヴォーカルとギターを泣かせるスクイーズ奏法を確立させた。
などなど、音楽史上の偉人だらけ。
こうやって聴いてみるとやっぱり大御所になる人には若い頃から風格ってもんがありますな。

ブラック・ミュージックの世界では割とジャンルの縦割りというか、ロックンロールならロックンロール、南部好きは南部一辺倒、ファンクやゴスペルやドゥーワップやニューオリンズとそれぞれにマニアックな住み分けがあるみたいだけれど、こうやって並べていくと、ジャンルも地域も白人も黒人もなく全部かっこいいよね。
そしてやわい曲にもへヴィーな曲にもポップな曲にもスウィートな曲にも、言葉では表現できにくい匂いというかテイストみたいなものがある。
僕が好きなのはそこのところだ、と改めて思うわけで。

DISC3に続く



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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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