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♪R&B黄金時代の125曲 Disc1

いつもいろんな音楽を楽しんでいるけれど、この数年一番じわじわとはまってすっかり虜になっているのが、60年代までの古いリズム&ブルースなのです。
シンプルながら奥が深く、実にいい味わい。
変な例えですが、ステーキもハンバーグも餃子もカレーも好きだけれど、毎日のご飯にあうのはやっぱりお漬物や佃煮だな、みたいな感じでしょうか。
ウォークマンにはいくつかのアーティストのベスト盤やアトランティックやモータウンやチェスやヴィージェイといったレーベルのオムニバスなんかがいつも入っているのだけれど、どのアルバムも名曲名演満載で、ラジオのように次々とヒット曲が流れてくるだけで気持ちいい。「トランジスタ・ラジオ」の気分やね。♪君の知らないメロディー、聴いたことのないヒット曲~、って感じ。
R&Bやブルースに関しては、アルバムでひとりのアーティストを聴くよりも、シングル・ヒットを集めたオムニバス盤を聴く方が断然楽しい。

と、そんなわけでふと思いついたのが、ごちゃごちゃにたくさん入っているそれぞれのアルバムの中なら選りすぐりのお気に入りの曲だけを集めて編集しておけばどんなに気持ちいいだろうか、というアイデア。
おー、これは我ながらいいアイデアだ(笑)。
いわゆる狭い範囲のR&Bだけではなく、ブルースやドゥーワップ、ロックンロールやジャンプ・ブルースやゴスペル・コーラスのグループやガール・グループなんかもぶっ込んで。
で、思い立ったら即実行、ずらずらと好きな曲を片っ端から放り込んでいったら、なんとあっという間に120曲を越してしまった。
全部通して聴くと5時間以上かかる(笑)。
そんなにいつ聴くんだっ(笑)ってことはありつつも、どこから聴いてもおいしいナンバーがどんどこ出てくるわけで、これはなかなか楽しい。

ということで、選んだ曲をとりあえずは年代順に数回にわたって紹介して参ります。
もちろん基本シングルヒットですからベタ曲満載、基本1アーティスト1曲としつつ、例によって絞りきれなかったものがいくつか。
イメージとしては、廉価版で1000円で売っている50年代ヒット曲集5枚組、みたいなイメージですね。

R&Bの始まりはどこか?遡ればキリがないのだけれど、とりあえずは1946年のルイ・ジョーダンから始めてみよう。

1 . Choo Choo Ch' Boogie / Louis Jordan (1946)
2 . Don't Leave Me, Baby / T-Bone Walker (1947)
3 . I Can't be Satisfied / Muddy Waters (1948)
4 . Black Angel Blues / Robert Nighthawk (1949)
5 . Rockin' at Midnight / Roy Brown (1949)
6 . All She Wants To Do Is Rock / Wynonie Harris(1949)
7 . Walking by Myself / Jimmy Rogers (1950)
8 . Dust My Broom / Elmore James (1951)
9 . Juke / Little Walter (1952)
10 . Lawdy Miss Clawdy / Lloyd Price (1952)
11 . Good Lovin' / the Clovers (1953)
12 . Hound Dog / Big Mama Thonton (1953)
13 . Shake, Rattle and Roll / Big Joe Turner (1954)
14 . Sh-Boom / the Chords (1954)
15 . Earth Angel / the Penguins (1954)
16 . Such a Night / Clyde McPhatter & the Drifters (1954)
17 . Jamaica Farewell / Harry Belafonte (1954)
18 . I Got a Woman / Ray Charles (1954)
19 . I Hear You Knockin' / Smily Lewis (1955)
20 . Touch the Hem of His Garment / the Soul Stirrers (1956)
21 . Be Bop a Lula / Gene Vincent (1956)
22 . Smokestack Lightnin' / Howlin' Wolf (1956)
23 . Devil or Angel / the Clovers (1956)
24 . See You Later Alligator / Bill Haley & His Comets (1956)
25 . I Want You, I Need You, I Love You / Elvis Presley (1956)


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■1930~40年代、主流だった音楽の演奏形態は、ひとつはピアノやギターによる弾き語り。現在でもそうだけれど酒場やちょっとした集会で演奏するのには弾き語りというスタイルはとても適している。一方でホールでの少し大きな舞台で演奏される音楽はビッグ・バンドが中心で、そんなビッグ・バンドでの演奏から、ビング・クロスビーやビリー・ホリディ、エラ・フィッツジェラルドやフランク・シナトラといったスター歌手が生まれてきたのだが、そんな中で、ギター・ベース・ドラム・ピアノ・ヴォーカル&サックスというミニ・コンボを作ったのがルイ・ジョーダン。
ルイ・ジョーダンの音楽はロイ・ブラウンやワイノニー・ハリスらに継承され、チャック・ベリーやJBやB.B.キングらの音楽にも決定的な影響を与えている。
ただしこの時代に黒人歌手に求められていたのはいわゆる芸人性。白人社会で受け入れられたものはエンターテイメントとして楽しめるものに限られていて、ルイ・アームストロングやカウント・ベイシーやデューク・エリントンなんかもそうなんだろうけど、彼らはそれを意識的に行っていったと思われる。
ロックンロールという言葉はまだ生まれていないけれど、歌詞や曲名にはすでにROCKという言葉が使われていて、どうやらこれはメイク・ラヴを意味しているらしいです。
ロックンロールは誕生以前からすけべだったのだ(笑)。

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■T-ボーン・ウォーカーはサックスのソロをエレキギターに置き換え、これもチャック・ベリーに大きな影響を与えた。
ルイ・ジョーダンのスモール・コンボはブルースにも影響を及ぼし、シカゴへ出たマディ・ウォータースやエルモア・ジェームスらはバンドスタイルでブルースを演るようになった。
マディのバンドからは、リトル・ウォルターやジミー・ロジャースといったスター・プレイヤーも生まれた。
これもロックンロール誕生前夜の出来事。

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■1940年代は音楽が生演奏だけではなくレコードとしても商売になり産業として大きく発展した時代でもあった。ラジオでDJが曲をかける。気に入った一曲をレコードとして手に入れて楽しむ、という行動が普及した時代。ヒット曲を出せばスターだ。
金のない貧しい街角のゴロツキたちは、楽器を持たずストリートで歌い始める。
楽器がなくても音楽を学ばなくてもスターになれるという意味でこれは革命的な出来事であり、ロックンロール的な表現の大きな下地を作ったのだと思う。
一発屋で終わってしまったザ・コーズの唯一のヒット曲、♪Life could be a dreamというハーモニーが印象的な“Sh-Boom”なんて、ほとんどロックンロールだもんね。
そしてもうひとつの時代的変化は雑誌とテレビ、いわゆるメディアの発達。そのことによって何が変わったかというと、イケメンのスターが誕生したのだ。
クライド・マクファターや、ゴスペルを歌っていたサム・クックらはもちろん素晴らしい実力を持ったシンガーだけど、イケメンであることで3割増しの人気になったのではないだろうか?否定的な意味ではなく、音楽が音楽以上の意味を持って婦女子にも支持が広がっていくという点で大切なこと。つまりは、プレスリーの登場の下地になっていった。

■ハリー・ベラフォンテはR&Bの範疇からははずれるが、自らのルーツであるカリブの音楽を広く紹介した人。その音楽は庶民の日々の暮らしや労働の苦労を歌ったもので、後にはカリブのみならず世界中の労働者の音楽を政治的なメッセージを含めて歌った。
この表現姿勢は、後にR&Bが黒人解放の運動と結びついていく過程にも大きな影響を与えたはずだ。

DISC2に続く

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Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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