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♪RAIN DOGS

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Rain Dogs / Tom Waits

Singapore
Clap Hands
Cemetery Polka
Jockey Full of Bourbon
Tango Till They're Sore
Big Black Mariah
Diamonds & Gold
Hang Down Your Head
Time
Rain Dogs
Midtown
9th & Hennepin
Gun Street Girl
Union Square
Blind Love
Walking Spanish
Downtown Train
Bride of Rain Dog
Anywhere I Lay My Head

なんなんだろうね、このアルバムの不思議な魅力。
うっとおしい梅雨時にはお似合いのなんとも湿度の高いむせかえるような音の洪水。
最初はちんぷんかんぷんだった。キース参加ってのにも惹かれて聴いてはみたものの、???・・・なんだ、この無国籍チンドン屋みたいな不気味でガサツな音は?って。ピアノ弾き語りの頃のトムらしさの残るHang Down Your Headやキース参加のBlind Love、唯一歌としてのメロディーが感じられるDowntown Trainなんかはさすがにトムらしい味わいを感じさせくれて気に入ったのだけど、それ以外といったら・・・。
ところがある種のの怖いものみたさなんですかね、なんか気になって幾度も幾度も聴いているうちに、突然この不気味な無国籍感がすっと馴染んで来てしまった。

アルバムは古いトーキー映画のようにギクシャクしたリズムを持つSingapoleで始まる。蒸し暑い異国の夜で何かが始まろうとしてる。2曲目Clap Handsも怪しげな取引が展開されるような場末感が漂う。怪しげなマリンバのリズムの中にエキセントリックなマーク・リボーらしきギター。3曲目、演劇的な匂いのするトムの、怒鳴り声のような歌。4曲目は打って変わって舞台は街路か。ささやくようなトムの歌い方からは逃亡劇の雰囲気が漂ってくる。5曲目Tango Till They're Sore 、うらぶれた酔っぱらい、モノクロ映画の白黒のちらちらした光の中でバーボンをあおるひげ面の男。
・・・と、そんな風に一曲一曲解説しだしてもキリがないのだけれど、とにかく映像的というか、物語が浮かんでくるサウンドなんですよね。楽器のチョイスからフレーズ、トーンに至るまで、あらゆる引き出しをひっくり返してワン・シーンごとに必要なシーンを必要に応じて切り取っていき、それぞれの色調の楽曲を並べ替えていく手法そのものも映画的。
そしてそれ以上にすごいと思うのは、一曲一曲に温度と湿度と光と匂いがあるのですよね。
音楽なのに、温度と湿度と光と匂いがある。匂いというよりは臭いかな。
臭う音楽。
ひとつひとつは色調も臭いもバラバラでありながら強烈にアクが強く、かつ統一感のある色調と臭い。

アクが強い分味わいも強烈だから、誰もが楽しめる種類の音楽ではないけれど、一度虜になると病み付きになってしまう、そういう世界。
こういう味わいを知ってしまうともう普通のロックやロックごっこ、ロックもどきでは満足できなくなっちゃうよね、ってのが、ジャズやいわゆるワールド・ミュージックを気持ちよいと感じるきっかけになったことは間違いないです。




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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