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♪COMPACT DISC

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Compact Disc / Public Image Ltd

FFF
Rise
Fishing
Round
Bags
Home
Ease

ちょっとムカつくことがあって、でっかい音に埋もれていたい気分。
で、さんざんピストルズを聴いた後に引っ張り出してきたのがこのアルバム。
脈絡なくただ轟音で鳴っている超絶技巧のギターと、ただどっすんばっかんと鳴り響いているだけのドラムと、うねうねとうねるベースの大洪水の中を、毒を吐き散らしてのたうちまわるようにわめきまくるジョン・ライドン。
これは気分が悪い時にデカい音で聴くと本当に気持ちいい。
自分が消えるような感覚に襲われていくのが気持ちいい。

良かれと思って一生懸命四苦八苦していたことを苦労への労いすらなく全否定されると、折れるね。
まして、本来そうではないのではないかと思いながらも、あちら立てればこちらが立たずという状況の中でやむにやまれぬ判断で、それでも自分に責任を任せていただいているんだからという気持ちでやっていたことが、結果としては、その原因側でもなく、ましてやその原因側をコントロールすべき上司の側から否定されるとは、えっ?こっちが悪ですか??って感じ。
くどくどと人格否定まで含んだ客観状況を探りもしない一方的なお説教を聴きながら、ここで反論したらまた素直じゃないだのなんだのボロカス言われるんだろうなと我慢して我慢してなんとかかわして切り抜けた、と思った瞬間、折れた。
我慢すると折れるんだね、心って。

1曲目の"FFF"から爆音が轟きまくる。。
"FFF"ってのはFarewell my Fairweather Friendの略で、まぁ「さらば、役立たずの友よ」って感じ?

Senseless reasoning
You believe what you want to believe
Farewell my fairweather friend
On you no one can depend
Bad times
Now they must end

あんたが信じるもんはあんたが信じたいと思ったものだ、とか、辛辣なライドン節大炸裂。
おー、今の気分にぴったりだぜ。
初めて聴いたときは、えっ?これがP.I.L??めちゃくちゃポップじゃね??あんなにいろんなことを批判してきたジョン・ライドンがこんなことやっちゃうの??と思ったけれど、結局のところ屁理屈や薀蓄や批判のための批判の言葉をいくら並べたところで音のかっこよさには敵わない。
Gがスティーヴ・ヴァイ、Drはジンジャー・ベイカーとトニー・ウィリアムス、Keyには坂本龍一、なんてことはこの際どうでもよろしい。演者が誰であれその本人の個性以上にプロデューサーのビル・ラズウェルのおもちゃになりきっているところが肝なのだから。ジョン・ライドン自身も含めて。
どの曲もそれぞれにゴリゴリと異質な気持ち悪い気持ちよさが残ってその違和感が奇妙にそれぞれにかっこいいのだけれど、一番大好きなのは確かシングルにもなっていた"Rise"かな。

I could be wrong, I could be right 
I could be black, I could be white
Your time has come, your second skin
The cost so high the gain so low
Walk through the valley
The written work is a lie 

ハハハ、コスト高くして実り少なく、ってね。笑える。

この曲、ギターのリフもメロディーも、螺旋を描きながら登っていったり降りてきたりするのが何とも言えず独特の心地よさで、延々と繰り返しを繰り返して、ラストはお経のようなライドンのリフレインで締めくくられる。

Anger is an energy Anger is an energy Anger is an energy Anger is an energy…

あぁ、そうだ、怒りはエネルギーだ。
目の前のことをテキトーにやり過ごすのは好きじゃないので、たぶんいずれまたがんばる気分にもなるんだろう、その時に、今の怒りはきっとエネルギーになる。
でもな、今はちょっとめんどくさいな。
今はただ、爆音の中に埋もれたい。
明日もかなり蒸し暑いらしい。


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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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