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♪EVERLASTING LOVE

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EVERLASTING LOVE / Ce Ce Winans

1998年発表のシー・シー・ワイナンスさんのアルバム。
この少し前に、ホイットニー・ヒューストンとのデュエット"Count on me"がヒットしてちょっと注目を浴びた後のソロ・アルバムだったのではなかったかしら。輸入盤屋の試聴機で聴いて即買いしたような記憶があります。

ブラック・ミュージックは大好物で、80年代以降に出てきたブラック・コンテンポラリーというジャンルも嫌いではないのですが、日常的にはあまり接点がない。「これは大好きっ!」というものが少ない。
その理由のひとつは、打ち込みメインで作った安っぽい音にのめりこめないこと。歌そのものは素晴らしいのだけど、どうもサウンドにお手軽感を感じてしまうのだ。
そしてもうひとつは、歌のテーマであったり表現内容がどうしても男女の営みや夜をイメージさせるぬめっとしたものが多いこと。普段の自分の日常生活で共有できる気分がとても少ないのですね。
ブラック・コンテンポラリーという音楽そのものが、少し豊かになっってきた都市のアフリカ系アメリカ人の労働者~中産階級をターゲットに消費される商品として成り立っている以上それは構造上やむをえないのだけれど、せっかくの素晴らしい歌唱をもっと楽しみたいのにその歌われている風景にはなじめないというのは残念なこと。

そんな中で、このCeCeさんのアルバムはちょっと印象が違っていて。
朝から聴ける爽やかさ。
新緑の瑞々しい5月の休日にはちょうどいい。
音そのものは打ち込み中心だけど、音色そのものはオーガニックで、アコースティック・ギターが効果的。
歌そのものも湿度やぬめりが少なくてさらっとクールで心地よく、それでいて深みがある。

Well, alright
Life
What about you
Everlasting love
I am
Slippin'
the Wind
Come on back home
Feel the spirit
the Healing part
Listen with your heart
On that day
Just come

お気に入りは、アコースティック・ギターがかっこいい“Well,alright”、南アフリカっぽいコーラスがワールド・ミュージックな“Feel the spirit”、ローリン・ヒル参加の“On that day”あたり。

 時代はよりハードになっていく
 今までよりもずっとずっと
 あまりにも多くの傷と痛みに
 打ち負かされてされてしまいそう
 信念だけがただひとつのあなたの拠り所
 神様が約束してくださっているように
 あなたはきっと強くなれる
     (Well, alright

 世界はものすごいスピードで変わっていく
 子供を抱えた母親たちは必死で生きている
 若い男性たちの暮らしもやりすごすにはあまりにもハード
 誰もが欠陥だらけの人生の中でなんとか世界を見つけようと一生懸命なのよ
 そんなとき、誰もが神への感謝をするべきなのよ
     ( On that day

ゴスペル一族のワイナンス家出身らしく、歌われているテーマのほとんどは神への帰依や感謝を歌ったもの。すなわちゴスペル。
その歌の背景には、思い通りにならない日々の暮らしの辛さや生きることの罪深さへの意識がある。
宗教や信仰ということは実感としてはよくわからないけれど、やりどころのない魂の救済するシステムのひとつとしてそれを必要とする人々が世界中にたくさんいるということはわかる気がする。
強制的にアメリカへ連れてこられ、厳しい生活を強いられてきたアフリカ系アメリカ人たちの、希望なんてどこにもなく神様にすがるほかなかった辛い暮らしがベースにあるという意味でも、ブルースとゴスペルは隣り合わせ表裏のものだったということがよくわかる。




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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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