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♪THE VERY BEST OF BEN E.KING

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The Very Best of Ben E.King / Ben E.King The Drifters

There Goes My Baby
Dance With Me
This Magic Moment
Save The Last Dance For Me
I Count The Tears
Spanish Harlem
Stand By Me
On The Horizon
Amor
Young Boy Blues
Here Comes The Night
Don't Play That Song (You Lied)
How Can I Forget
I ( Who Have Nothing)
Supernatural Thing - Part I
Do It In The Name Of Love

先月の末に惜しくも亡くなられたベン・E・キングさん。
この方は、初めてR&B、ソウル・ミュージックというものを意識したひとりでありました。
FMラジオをエアチェックばっかりしていた中学生の頃、60年代R&B特集みたいな番組があって、シュープリームスやテンプテーションズとかと並んでチェックしたドリフターズのヒット曲の数々と“Stand by Me”。
それはもう素朴に、「わりといいなー、よくあるオールディーズ(コニー・フランシスとかポール・アンカとか)よりも渋くてかっこいいよね」ってな印象でしかなかったとはいえ、中学生なりにもちょっとこれはいい感じかも、と思える世界でした。
ただ、だんだんといろんなものを聴いていくに従ってドリフターズやベン・E・キングなんて「ただのポップスやん、ディープじゃないぜー。」なんて一丁前な口をききたくなってしまうもんなんですよね(笑)、メンフィス・ソウルだ、フィリー・ソウルだ、サザン・ソウルだ、ファンクだ・・・云々かんぬんと、一丁前を気取りたがる年頃(笑)。
そーゆー背伸びな時期もとっくに過ぎて、干支5廻りめの年頃にもなってくると、素で聴いていて気持ちよいものっていうと、結局そういうポップなものに戻っていく傾向があって。
改めて聴いて、いいなぁと素直に思います。

中でも大好きだったのは、ハニードリッパーズがカバーしていた“Young Boy Blues”で、ぐっとしみる感じの感傷がね、たまらなくいい。泣き叫ばないクールさの向こうにあるせつなさ、美学、みたいな。ストリングスとの相性もよくて、この方の適度にディープなハスキー・ヴォイスはストリングスを甘すぎず緊迫させすぎずのちょうどいいバランスを醸し出しますね。“Spanish Harlemn”や“Amour”みたいなラテンっぽさもいい感じ。
70年代に入るとびっくりするようなファンクもこなしていて、その器用さがまたいいな、と思ったりする。全然ぶっ飛んでいないファンクだけど、それがこの方らしくていいのだ。

オーティス・レディングやウィルソン・ピケットみたいな魂の咆哮や汗だくのハードさはない。
サム・クックほどスマートではないし、レイ・チャールズやアレサのディープさもない。
そこそこに上手くてそこそこにダーティーでそこそこにクールでそこそこにソウルフル。
そんなそこそこさ加減、突出した魅力はないけれど中庸にバランスが取れた魅力、みたいなものを歳とともに感じるようになりました。
若い頃は、人より抜きん出た何かを持たないことはコンプレックスだった。
今はね、それでいいと思います。
安定したバランス感や、何でもそこそこ器用にこなせることは悪いことじゃない。
そう思えるようになってからはずいぶんと生きることが楽になった。
悪いことじゃない。



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コメント

[C2560]

yuccalinaさん、こんばんは。
かつてのビッグ・スターが次々のあちらへ旅立ってしまわれますね。みもふたもなくいうと、ところでどなたがまだご存命でどなたが亡くなられてしまったかあやふやな感じがありますが(苦笑)。
B.Bさんは昨年までずっとステージに立たれていたそうですし、ベン.Eさんも東日本大震災のあとすぐに来日されたりで現役で活躍中のイメージが強かっただけに残念さも強いですね。
  • 2015-05-16 19:30
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2559]

Bach Bachさん、こんばんは。
Bach Bachさんのように、幅広く、かつ良い音を偏見なく聴いておられる方と知り合えてたいへんうれしく思っております。
パット・メセニー&ジョン・スコフィールドのアルバムは僕もつまらないと思って売っちゃったんですよね。我が意を得たり!って感じでした。
じっくり読ませていただきますね!
  • 2015-05-16 19:24
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2558]

わんx3さん、こんばんは。ご多忙のようですね。
B.B.キングの訃報、残念ですが89才といえば大往生ですね。
いつだったか、90年前後に一度だけライヴ「を観たことがあります。脂ののった余裕綽々のステージでした。

  • 2015-05-16 19:17
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2557]

今日はBBの訃報でガッカリしてたとこなんですが、そうでしたねベンEもつい先日のことでした。パーシー・スレッジもでしたっけ。
寂しいですね。
  • 2015-05-16 18:45
  • yuccalina
  • URL
  • 編集

[C2556]

リンク、ありがとうございました!こちらからも早速リンクさせていただきました。
記事の内容が濃いので、全部読むまでにはしばらく時間が掛かりそうですが、これからしばらく毎日読むのが楽しみになりそうです(^^)。今後とも、宜しくお願いいたします。

[C2555]

お久しぶりです
ベンEキングに続いてBBキングも他界のニュース。
そろそろかなという心の準備をしていたのですが、
いざニュースを小耳にはさむと悲しいものです。

ですが絵にかいたようなブルース人生を送った
御大もえぇ人生やったのではとおもいます。
ご冥福をお祈りします
  • 2015-05-16 00:46
  • わんx3
  • URL
  • 編集

[C2554]

Bach Bachさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
古い音楽のことばっかりだらだら書いているブログですが、ぜひ今後ともよろしくお願いいたします。

「心に残った音楽♪」、こちらもさっそくリンクさせていただきました。
またじっくり拝見させていただきます。
  • 2015-05-15 22:36
  • goldenblue
  • URL
  • 編集

[C2553]

 はじめまして、Bach Bach と申します。ベン・E・キング、素晴らしいですよね。私も少し前に、自分のブログで「中庸の素晴らしさ」と似たような事を書いたばかりだったので、記事を読ませていただいてビックリしました(笑)。
 遡って、golden blue 様の記事を拝読させていただいていますが、素晴らしいです!バタフィールド・ブルース・バンド、いいですよね!私はセカンドアルバムから入りましたが、やられました。

 「心に残った音楽♪」というブログをやっていすのですが、相互リンクを貼らせていただけないでしょうか。こちらのサイトアドレスは、以下の通りです。

http://cdcollector.blog.fc2.com/

ご一考のほど、よろしくお願いいたします。

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golden blue

Author:golden blue
“日々の糧と回心の契機”のタイトルは、好きな作家の一人である池澤夏樹氏が、自身と本との関わりを語った著書『海図と航海日誌』の一節より。
“日々の糧”とは、なければ飢えてしまう精神の食糧とでもいうべきもの。“回心”とは、善なる方向へ心を向ける、とでもいうような意味。
自分にとって“日々の糧”であり“回心の契機”となった音楽を中心に、日々の雑多な気持ちを綴っていきたいと思います。

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